東京駅で行列する「ロールケーキ店」の正体 駅やサービスエリアで「手土産」として人気

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また、アリンコの公式ホームページには定番と限定商品の種類と説明が掲載されているが、すべてが網羅されているわけではないようだ。例えば、4月上旬までの期間限定品が桜ロール(1286円)。また5月頃にはチョコミントロールが夏限定で発売される予定だそうだ。

小石川工場でスイーツ部門を取り仕切っている川村氏によると、「チョコミントロールこそ、まさにパティシエの発信で開発された商品」(パティスリー ド パラディ取締役川村礼子氏)とのこと。アリンコでは新しい商品を検討する際に地域の食材から発想を広げていく場合が多いのだが、チョコミントに関しては、まず味のアイデアから開発をしていったという。

「チョコミントは昨年の夏に発売しました。流行した時期があったものの、スーッとした味が苦手だという人も多く、賛否の意見が社内でもありましたが、案に相違してかなり反響が高かったです。それで、今年も発売することにしました」(川村氏)

ちょっと考えただけでも、ロールケーキにチョコミントはあまり合いそうにない。そのぶん逆に、「どんな味なのか」という興味が高まる。

春の商品を試食

春の商品であるシーズンロール「春」と、桜ロールを試食してみた。

写真は季節限定のシーズンロール「春」1429円(左)と桜ロール1286円(筆者撮影)

シーズンロールは、いちごクリームに、求肥、黒豆という組み合わせが特徴だ。まず、生地がきめ細かいのに驚く。生地の色が白いのは生地に卵黄を使っていないためだろう。いちごクリームにちょっと酸味があって、味わいを引き締めてくれる。求肥のもちっとした食感もアクセントになっている。

桜ロールのほうは、シーズンロールよりやや甘さが勝っている感じだ。生地に巻き込まれている桜色のあんこには、桜餅風にほんのり塩気があり、甘さを引き立てている。いずれもほうじ茶といっしょに食したいような、和風の香りがするロールケーキに仕上がっている。

なお、ほかの季節についても、夏は桃とクリームチーズ、秋は和洋の栗、冬はシナモンとリンゴと、季節の果物を取り入れつつ、アリンコならではのこだわりを詰めたロールケーキとなっている。毎年楽しみにしているリピーター客もいるそうだ。

さてバルニバービではアリンコを含めて、3つのスイーツのブランドを展開している。パラディは「懐かしくて新しい」をコンセプトとしたスイーツのショップ&カフェで、スコーンやマドレーヌのような焼き菓子や、ショートケーキのような定番ケーキをそろえる。

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