肩こりは「もんでも治らない」という驚きの真実 ストレッチや筋トレが逆効果になることも

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

コリや痛みが発生する本当の原因は、会社を例えに説明するとわかりやすいでしょう。

ある会社に、仕事を頑張っている部署Aと、サボっている部署Bがあるとします。会社全体の業績を上げるために、部署Bの分まで頑張ってきた部署Aでしたが、しだいに無理がたたり、部署Aの人たちがどんどん倒れてしまいました。

一方、部署Bの社員たちは相変わらずサボったまま。そのため会社全体の業績はどんどん悪化していき、気づいたときには甚大な経営不振に陥っていました。

体に頑張っている部分とサボっている部分があると、これと同じことが起こります。ある場所(部署B)の動きや筋肉、関節がサボっているせいで別の場所(部署A)の筋肉や関節が過剰に頑張る必要が生じ、結果として頑張っている場所にコリや痛みが発生します。そして、それらが現れやすいのが肩だったり、腰だったりするわけです。

「サボっている」とは、本来持っていた働きや力が下がっている状態と考えていただくとよいでしょう。

なぜサボっている部分ができるのかというと、人間の体がつねに動きやすいほう、動きやすいやり方を合理的に選択しているからです。

コリや痛みを解消するベストな方法は、サボっている部分をちゃんと働かせるようにするだけでいいのです。

筋トレは疲弊した社員に鞭打つようなもの

床にものが落ちたときの体の動きをイメージしてみましょう。

本来かがむ動作は股関節、ひざなどを連動させて行うのがいちばん自然で体に負担がない動きです。

ですが、股関節やひざがサボっていたら、腰だけで頑張ってかがまなければなりません。そうやって無理を続けた結果、積もり積もって腰痛になったりします。

腰痛の治療で「背筋を鍛えましょう」などと指導されることがあるかもしれません。

しかし、背中や腰の筋肉を鍛えるために背筋運動などの筋力トレーニングを行うことは、ただでさえ過労で社員が倒れそうになっている部署に「もっと頑張って働け!」と言っているのと一緒です。

次ページ「動かしている=頑張っている」わけではない!
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事