「夢に向かって頑張る」が科学的にアウトな理由

UCLA医学部教授が教える「意志力不要」の技術

目標は夢を達成するための中間的な計画で、短期的なものと長期的なものがある。長期目標は、通常は達成に1カ月から3カ月かかる(「外国語の基礎を学ぶ」など)。3カ月以上かかるものにしてもよいが、その場合は過去に達成したことがあるものだけにする。そうでなければ、それは夢である。

例えば、100万回ダウンロードはアプリ開発者にとっての夢だが、過去にほかのアプリでそれを達成したことのある起業家にとっては、長期目標にすぎない。もう一度達成することは現実的なものとして捉えやすいので、それは夢ではなく目標になる。短期目標は、1週間から1カ月で達成できるものにする。

目標は、夢よりも数値化しやすい。「有名なロック・スターになりたい」(夢)よりも、「CDを1000枚売りたい」(目標)のほうが、はるかに定量的だ。

最後はステップだ。これは通常、1週間未満で達成できるものにする。ステップは、目標の達成に向けて途中でチェックする小さなタスクだ。「マドリードのタパス・レストランで、メニューを正しく発音して注文する」という目標を達成するためには、「スペイン語の入門書を買うこと」が1つ目のステップになる。

小説の第1章を書くという目標では、「明日のスケジュール表に執筆の時間を書き込む」ことを1つ目のステップにしてもいい。

1週間の短期目標が効果的

おすすめなのは、1週間程度で達成できる短期目標を立て、その実現のために2日未満のステップを計画することだ。例えば私たちの研究室では、学生とスタッフは毎週末のミーティングで、次週の目標を計画し、それを達成するためにどのようなステップをとるべきかを話し合う。

ロック・スターを夢見る少女は、「お気に入りの曲を週末までに演奏できるようになる」を短期目標に、「曲を選ぶ」「楽譜を手に入れる」「スケジュール帳に練習する時間を書き込む」「練習する」「通しで演奏する時間を金曜日につくる」「実行する」などをステップにできる。

重要なのは、「目標」に注目することだ。マインドセットを軌道修正し、小さく具体的な目標に集中することで、「目標を小さく刻む力」を正しく使おう。実践するのは、最初は難しいと感じるかもしれない。目標やステップの達成に必要な期間を適切に見積もるのは簡単ではないからだ。

そこで、周りにいる信頼できる人(3人程度が望ましい)の力を借りてみよう。自分が「目標」だと思っているものが、他人にとってもそう思えるものなのか、意見を尋ねてみよう。「3カ月以内で達成するのは難しいのでは?」と言われたのなら、それは目標ではなく夢なのかもしれない。

モチベーションを高めるために、心の奥に夢を抱いておくことは大切だ。だが、エネルギーを投じるべきは、達成に1週間から1カ月かかる短期目標と、その実現のための小さなステップを計画し、実行することだ。

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