摩訶不思議「地名の英語読み」には法則があった 「清水寺」は英語ではなんと呼ぶのが正しいか

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首を傾げながら、いろいろ調べているうちに、国土交通省の観光庁が出している「ガイドライン」なるものを発見しました。「ちゃんとルールが決まっているんだね!」と言いながら、ジョンと一緒に感動して読み進めていくと、地名や施設名の表記方法について述べられている部分がありました。

(図:国土交通省観光庁「観光立国実現に向けた多言語対応の改善・強化のためのガイドライン」より)

原則としては、「普通名詞部分以外の表音を表記するとともに、普通名詞部分の表意を表記」とのこと。つまり、「山」とか「寺」に当たる部分以外の固有名詞の部分、例えば「富士山」の「富士」の部分や「清水寺」の「清水」の部分は、日本語の音をそのまま英語で表記する(「富士」→Fuji、「清水」→Kiyomizu)ということですね。そして、「山」とか「寺」という普通名詞の部分は、その意味を表す英語(「山」→Mount、「寺」→Temple)を使用するということです。

早合点の筆者は「やっぱりKiyomizu Templeでいいんだ!」とここでぬか喜び。ところが、そのまま先を見ていくと表にはなんとKiyomizu-dera Templeと書かれているではありませんか!!

どうやら例外があるようです。「普通名詞部分を切り離してしまうと、それ以外の部分だけでは意味をなさなかったり、普通名詞部分を含めた全体が不可分の固有名詞として広く認識されている場合には、全体の表音表記に加えて、普通名詞部分の表意を表記」と書かれています。

つまり、「芦ノ湖」のように「湖」だけ切り離して「芦ノ」となると、意味が通じなかったり、「荒川」のように「川」の部分も含めて固有名詞のように認識されているものは、全体+英語訳(Lake AshinokoArakawa River)のようにするということです。

神社仏閣については例外

「そっか!」と納得したのですが、「あれ? でも清水寺はどうして?」と再びジョンと迷宮をさまよい始めます。「Kiyomizu Templeって切り離しても意味は通じるよね?」。リストにあるShimogamo-jinja ShrineShimogamo Shrineでいい気がします。するとジョンが、上記のガイドラインの注釈を指さして「注意書きがあるみたいだよ!」と言うので、慌てて探す筆者。前出の表の下に記載されていた注釈を読んでみると、

寺・神社については、普通名詞部分の表意を表記した英語に対応する日本語が複数存在しており(例:Temple ⇒ 「~寺」「~院」、Shrine ⇒「~神社」「~神宮」「~天満宮」「~大社」等)仮に普通名詞部分について英語による表意表記のみとすると誤って認識されるおそれがある。外国人旅行者に意味・呼び名を正しく伝える必要があることから、ローマ字による全体の表音表記に加えて、普通名詞部分の表意を表記することが望ましい。

 

とのこと。つまり、神社仏閣については一律に全体+英語訳(Kiyomizu-dera Temple、Byodoin Temple)とするらしいのです。そうですか……。仕方ないのかもしれませんが、個人的には「~でら」「~じんじゃ」は、原則のほうにしてほしかった。これからは、筆者も意識してKiyomizu-dera Templeと言わないといけないんですね。

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