なるほど。筆者は気にもしていなかったのですが、そういえばATMはAutomated Teller Machine、PINはPersonal Identification Numberのことなので、「ATMマシーン」や「PINナンバー」では意味がダブってしまいますね。でも、ATMやPINが何のことを表しているのかわからない人には「マシーン」とか「ナンバー」と言ってあげたほうが、親切ではありますね。あ、前に聞いたことがありますが、「チゲ鍋」というのも同じ原理なんでしょうね。「チゲ」というのが韓国語ではすでに「鍋料理」の意味らしいですから。
「とはいえ、やっぱりKiyomizu Templeのほうが自然だよ!」そんなことを言っていると、ジョンが「でもATMが『ATマシーン』とか、PINが『PIナンバー』になってしまうと、なんのことだかわからなくなっちゃうから、その法則でKiyomizu-dera Templeというのもありなのかもね」と、別の視点から指摘してくれました。
そうですね……。言われてみると、「東大寺」や「浅草寺」のように「~じ」という場合はTodai TempleやSenso Templeと言ってしまうと、一瞬どこの寺なのかわからないかもしれないですよね。
それと不思議なのは、Todaiji TempleやSensoji Templeだったら、響き的にそれほど違和感がないんですよね。なぜだろう?そう考えると、「~でら」という名前以外のものは、そのままの名前にTempleと付けるほうがいい気がします。
「三千院」もSanzenin Temple、「源光庵」もGenkoan Templeのほうがいいですね。Sanzen TempleやGenko Templeだと、どこの寺のことだかわからなくなりそうです。でも、清水寺はやっぱりKiyomizu Templeだと思うなぁ。
すると、ジョンが「この問題って、地名も一緒じゃない?」と言うので、ふたりでランダムに地名をあげながら、ふだんはどのように言っているのかを検討してみました。
なんとなく法則があるような、ないような……。いろいろ考えているうちに、どれが正しいのかわからなくなってきました(笑)。
観光庁のガイドライン
日本語の「山」や「川」、「寺」や「神社」に当たる部分をそのまま英語に置き換えるパターンと、日本語名をそのまま残して英訳した単語を加えるパターン、どんなときにどちらを使うのが正しいのでしょうか。気になって、旅行サイトや各自治体や神社仏閣のサイトなどを確認してみたのですが、どうやら完全に統一されているわけではないようです。でも、どこのサイトでも違和感のある表現はだいたい避けているような印象です。
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