「車いすラグビー」の想像を絶する激戦の裏側

乙武洋匡が東京大会の雄「池崎大輔」を直撃

ウィルチェアーラグビーの魅力と東京2020オリンピックに向けての課題を、池崎大輔選手に聞いた(写真:)

6歳のとき、手足の筋肉が少しずつ衰えていくシャルコー・マリー・トゥース病という難病を発症した池崎大輔さん。そこで高校在学中から車いすバスケを始めますが、15年ほどプレーし続けたところで、少しずつ腕の筋力が低下し、競技を続けるのが難しくなってしまいました。

そんな池崎さんが次に出会ったのが、ウィルチェアーラグビーでした。車いすでコート内を疾走し、ときには激しくぶつかり合う迫力満点のこの競技でも、池崎さんは才能をいかんなく発揮。昨年の世界選手権では、リオデジャネイロ・パラリンピック王者のオーストラリアを破る大金星で優勝を果たした上、MVPにも選出される活躍ぶりで注目を浴びました。

がぜん、期待が高まる東京パラリンピック。メダル候補の筆頭格と目される日本のエースを、乙武洋匡が直撃します。

パラアスリートのトレーニング事情

乙武洋匡(以下、乙武):シャルコー・マリー・トゥース病という難病と闘いながらのトレーニングには、大変な苦労があると思います。腕の筋力の低下がウィルチェアーラグビー転向のきっかけとのことですが、現在はどのようなトレーニングを行っているんですか?

池崎大輔(以下、池崎:僕は手首が弱くて握力がない状態なので、“押す”トレーニングはできても、“引く”トレーニングができないんですね。そのため懸垂など背中のトレーニングができなくて、もっぱら大胸筋や三角筋などを鍛えています。

乙武:なるほど。できることとできないことが明確に分かれるんですね。

池崎:ベンチプレスにしても、フリーでは14~15キロほどしか上げられませんが、スミスマシンであれば80~90キロはいけます。ただ、腕に肉がないから骨で支える状態になり、すごく痛いんです。そこで自重に重りを加えて、腕立て伏せのような状態で鍛えるなど、いろいろ工夫しながらやっていますね。

乙武:ウエイトトレーニングひとつをとっても、実はこれほど苦労されているというのは、世間にはほとんど伝わっていない事実かもしれません。

次ページ練習場が借りられない問題
ライフの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 晩婚さんいらっしゃい!
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
  • 野口悠紀雄「経済最前線の先を見る」
  • あふれる独自性 ニッポンのすごい研究者
トレンドライブラリーAD
人気の動画
保険営業 ノルマ未達なら「雇用契約打ち切り」の無惨
保険営業 ノルマ未達なら「雇用契約打ち切り」の無惨
ラーメン店の倒産ラッシュが必然でしかない事情
ラーメン店の倒産ラッシュが必然でしかない事情
攻撃的な人の態度を軟化させる絶妙なワザ
攻撃的な人の態度を軟化させる絶妙なワザ
人望のない人は「たった一言」が添えられない
人望のない人は「たった一言」が添えられない
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
漂流する東芝<br>舵取りなき12万人の悲運

再出発したはずの東芝の漂流が止まりません。再建請負人の車谷暢昭社長が電撃辞任。緊張感が増すファンドとの攻防や成長戦略の構築など課題は山積しています。従業員12万人を超える巨艦企業はどこに向かうのでしょうか。

東洋経済education×ICT