30歳の3代目が凄惨な現場で奮闘続けるワケ

跡を継ぎ、遺品整理と特殊清掃に行き着いた

特殊清掃の仕事はいわゆる「人が嫌がる仕事をする」ことだが、30歳の若さで3代目社長となった山本直嵩さんは、終始笑顔で仕事が楽しいと語っていた(筆者撮影)  
これまでにないジャンルに根を張って、長年自営で生活している人や組織を経営している人がいる。「会社員ではない」彼ら彼女らはどのように生計を立てているのか。自分で敷いたレールの上にあるマネタイズ方法が知りたい。特殊分野で自営を続けるライター・村田らむと古田雄介が神髄を紡ぐ連載の第53回。

大阪府松原市に本社があるダイウンは、特殊清掃や遺品整理を請け負う会社だ。特殊清掃は人が亡くなった現場を清掃する仕事、遺品整理は故人が遺した物を片付ける仕事である。

自らの意志で継いだ特殊清掃という仕事

社長の山本直嵩さんはまだ30歳と若い。3代目の社長だが、特殊清掃の仕事をはじめたのは山本さんの意志だという。

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話を聞く前に、実際に特殊清掃の現場に立ち会った。

指定された大阪市内のとある場所に足を運ぶと、木造建ての古いアパートが建っていた。2階に登る。山本さんは神妙な顔で、

「この部屋ですね」

と言うと、ゆっくりドアを開けた。

腐敗臭がワッと鼻についた。急いで中に入ってドアをしめる。臭いは強烈だが、ハエはほとんど飛んでいなかった。

「大家さんが燻蒸式殺虫剤を炊いたんです。だから、ハエはほとんど死んでいますね」

台所に置かれた燃え尽きたお線香(筆者撮影)

確かに玄関先には、燻蒸式殺虫剤の空き缶がいくつか転がっていた。キッチンにはやはり大家さんがあげたのであろう、燃え尽きた線香がコップに入っていた。

ワンルームの和室は、とても片付けられた部屋だった。大きなタンスが1つと、ベッドが1つ置いてあるだけだ。

ベッドで亡くなったのは一目瞭然だった。敷布団は茶色い液体でぐっしょり濡れている。ベッドのはじにかけられた掛け布団も同じく濡れていた。

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