30歳の3代目が凄惨な現場で奮闘続けるワケ 跡を継ぎ、遺品整理と特殊清掃に行き着いた

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山本さんは、お父さんは自分が死んだ後に息子が困らないよう、仕事を任せていたのではないか?と思う。

「生前、なにかにつけて父親に頼っていたら、困ったことになっていたかもしれませんね。僕は仕事に関してはすごい負けん気が強いですから。

『親父が社長やったから、それ継いだだけやろ』

って言われるのは、絶対に嫌でした。血縁とか関係なく、頑張ろうという気持ちをずっと持ってました」

それでも従業員の中で最も若い山本さんが陣頭指揮を取るのは重圧があるだろう。若い彼の判断に、社員の生活がかかっているのだ。

プレッシャーはあるが、仕事は楽しい

「もちろんプレッシャーは感じます。でもそういうプレッシャーはあったほうが楽しいですね。仕事は目標を持ってやっていきたいですし、目標がないとダレます。

そもそも商売のことを考えるのは好きなんですよ。『会社を大きくしよう』『売り上げを数倍にしよう』などかなり高い目標を設定しています。また毎日、なにか新しい事業がないか考えています。妻に『寝言で仕事の話をしてたよ』と言われることがありました。それくらいいつも仕事のことばかり考えているんですね(笑)」

経営者として日々、腐心している山本さんだが、現在でも特殊清掃の現場に出て働いている。

「現場に出るのは好きですね。嫌いだったらできない仕事だと思います。もちろん40代、50代になったら現場を離れて、経営だけに回るかもしれません。でも今はまだ僕も若いので現場で働きたいですね」

山本さんは終始笑顔で、楽しく仕事をしていると語っていた。

「人が嫌がる仕事をする」というのは、口で言うほど簡単なことではない。

ただ山本さんのように楽しんで仕事することができれば、うまくいくのだろうと思った。

村田 らむ ライター、漫画家、カメラマン、イラストレーター

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むらた らむ / Ramu Murata

1972年生まれ。キャリアは20年超。ホームレスやゴミ屋敷、新興宗教組織、富士の樹海などへの潜入取材を得意としている。著書に『ホームレス大博覧会』(鹿砦社)、『ホームレス大図鑑』(竹書房)など。

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