都市圏の私立大学が合格者数を減らすわけ 定員管理の厳格化で、大学入試はどう変わる

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入学定員充足率低下の背景には、政府からの補助金問題があった(写真:stpure/PIXTA)

今年も大学入試の季節となった。受験生には持てる実力を遺憾なく発揮でき、受け入れる大学・学部としても有能な人材に恵まれることを期待したい。

近年、大学入試をめぐり、とくに3大都市圏(埼玉、千葉、東京、神奈川、愛知、京都、大阪、兵庫の8都府県)にある主要な私立大学が合格者数を減らしていることに関心が集まっている。実際、3大都市圏にある私立大の入学定員充足率は下がっている。入学定員充足率とは、入学定員に対する入学者数の比率で、これが100%を超えると定員を超過して入学者を受け入れている状態で、100%を割ると定員割れをしている状態となる。

低下する入学定員充足率

文部科学省などの調べによると、3大都市圏の私立大の入学定員充足率は、2014年度は106.22%だったが、2018年度には103.18%に低下している。入学者を受け入れるのをそれだけ抑えている。それは、入試には合格したが、最終的に入学した人が少なくなったからではない。そもそも、大学側が合格者数を以前に比べて抑えた結果、入学者数も相対的に抑えられ、入学定員充足率が下がったのである。

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現に、主要な大学がそれぞれ公表している入学定員と入学者数を筆者が調べたところ、3大都市圏の主要な私立大で、2018年度の入学者数(2018年4月以降の入学者数)が2017年度よりも増えた大学は1つもなかった。しかも、一部の大学では新学部を創設して入学定員が増えているにもかかわらず、入学者総数は減っている。

なぜこういう事態に陥ったのか。それは、文部科学省が私立大に配る補助金が引き金となっている。

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