都市圏の私立大学が合格者数を減らすわけ

定員管理の厳格化で、大学入試はどう変わる

文科省は2016年度から、入学定員を超過した私立大に対する私立大学等経常費補助金の配分基準を厳しくした。入学定員を超過して入学者を受け入れた私立大は、それだけ学生から入学金や授業料の収入を得ており、そのような大学に国から補助金を配る必要はないということだ。定員の基準を少しでも超過して入学者を受け入れた場合、補助金を配らないことに決めたのだ。

というのも、2014年度時点で、私立大の入学定員は約4万5000人も超過しており、その8割(約3万6000人)が3大都市圏の私立大に集中していた。片や、地方の私立大では定員割れを起こしており、東京一極集中を助長しているとみなされた。安倍内閣が進める地方創生の観点からも、大都市圏の私立大ばかりに学生が偏るのを防ぐ狙いもあった。

2015年度までは、定員8000人以上の大規模大学の場合、入学定員充足率が120%以上になると補助金が受け取れなくなっていた。これを、2016年度以降、段階的に引き下げ、2018年度には110%以上になると補助金を受け取れないことにした。

併願受験生にどう対応するか

この2016~2018年度の3年間にわたる補助金交付の厳格化、ひいては入学定員管理の厳格化が、冒頭記したような、3大都市圏の主要私立大で合格者数の減少を引き起こしたとみられる。

ただ、私立大の場合、合格者数の減少と入学者数の抑制とは、必ずしも単純な関係ではない。受験生はしばしば複数の大学を併願する。私立大同士の場合もあれば、国公立大と私立大の場合もある。その大学の入試を受ける受験生が、どの大学と併願するかのパターンを大学側はよく理解している。

併願者が多く、併願した他大学に受かるとそちらに入学することが多いという傾向を把握していれば、定員ぎりぎりの数の合格者を出すと、定員割れとなる可能性がある。したがって、併願した他大学に受かると入学しない受験生が多い大学は、入学定員管理が厳格化されても、合格者を減らすわけではない。

他方、併願者が相対的に少ない大学や、他大学が受かっても入学する合格者が多い大学は、定員超過を避けるために合格者数を減らす可能性が高い。

さらに、前述の文科省の方針と合わせて、2017年度以降に新学部を設立したい大学には、より厳しく入学定員超過を出さないような基準を課し、入学定員管理を厳格にするよう求めた。それも影響してか、新学部を創設して入学定員が増えているにもかかわらず、合計の入学者は減った大学があった。

そして、文科省は、2019年度以降、私立大への補助金について、入学定員充足率が100%を超える大学には、定員超過入学者数に応じて学生経費相当額を減額することや、95%~100%にした大学には補助金を上乗せするとの方針を打ち出し、さらなる入学定員管理の厳格化を求めようとした。

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