「幸せの国」ブータンで見えた障害者の過酷 母親と暮らす20歳の青年が心配する未来
――はじめまして、日本から来た乙武と言います。
タンディン:よろしくお願いします。
トゥッケン:ようこそ、おいでくださいました。
――まずは、タンディン君の障害の状況について教えてください。
トゥッケン:脳性マヒなのですが、彼の場合は手と足に障害があります。普通に歩くことができないので、普段は歩行器のようなものを使っています。
学校に行けるかもしれないという発想がなかった
――ブータンでは障害があると学校に通うことが難しいと聞きました。タンディン君は学校には通っていたのですか?
タンディン:いえ、通ってはいませんでした。
――それは学校に拒まれたから? それともお母様の意思?
トゥッケン:その当時はこの子のような障害者が学校に行けるかもしれないという発想がなかったんです。
――タンディン君は、可能ならば学校に通いたかった?
タンディン:うん、行きたかったです。
――もし学校に行けたら、何がしたかった?
タンディン:やっぱり友達と一緒に勉強したり、遊んだり……。


















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