スタバの価格に怒る中国メディア
今年10月、中国で「スターバックスぼったくり疑惑」が話題になりました。きっかけは10月20日、フォロアー1000万人を誇るCCTVの微博(中国版ツイッター)ニュースが、「中国のスターバックスのコーヒーの値段は世界で最も高い」と報じたことです。
具体的には、中国のスタバのラテの「中杯」(トールサイズ)は27元(約450円)で、シカゴの19.98元、ロンドンの24.45元、インドの14.6元などより高く、しかもラテ1杯の原価を試算するとたったの4.6元である。不公平な価格設定により中国人は不利益を被っている、との主張です。
また、これに先行して「第一財経日報」は10月8日と14日に、「スターバックスのアジア太平洋地域の利益率はヨーロッパの16倍」「価格は原材料費の10倍近い」などと報じていました。
中国人が指摘するグローバル企業のダブルスタンダード
「中国の消費者は欧米のグローバル企業から見下されている」という被害者意識は、以前から存在しました。ただし、昔は、グローバル企業は本国や先進国市場では品質のよい商品を提供し、中国のような新興国ではクオリティを落とした安価な商品を売るというダブルスタンダードであるとして憤慨していたのに対し、今回の主張はまったく違っていて、「同じ商品を中国人には他国よりも高く売りつけている」と怒っているわけです。
このような論調の違いには、わずか数年の間に、「低価格品しか買えない消費者」が「価格が高くても買える消費者」へと変貌した中国消費市場の特性が反映されていますが、「中国を差別している」として、怒りの矛先がグローバルな大企業に向けられるのは毎度同じです。
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