スタバのバリスタ、なぜ「豆」を売る カフェ市場成熟でも「原点」教育で生き残る

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牛丼大手3社や、ハンバーガー首位の日本マクドナルドホールディングスなどファーストフード各社が業績不振に沈む中、スターバックスコーヒージャパン(以下、スタバ)の好調ぶりが目立つ。

スタバの4~6月の業績は、売上高322億円(前年同期比14%増)、営業利益43億円(同58%増)と2ケタ増収増益で気を吐いている。新規出店を増やしていることに加え、既存店の売上高も前年同期比109.6%と大幅に伸びたことによるものだ。今2014年3月期の通期では、売上高1111億円(前期比3.1%増)、営業利益77億円(同7.3%増)を見込むが、足元の勢いをみるかぎり、上振れの可能性もありそうだ。

国内カフェチェーンの中では、ドトール・日レスホールディングスの傘下にあるドトールコーヒーが1384店(うちドトールコーヒーショップ1102店、残りはエクセルシオールカフェなど)と、店舗数が最も多い。とはいえ、ドトールコーヒーは小規模な店が多く、規模の大きめなエクセルシオールを含めても、今2014年2月期の売上高見込みは719億円にとどまる。一方、スタバは3月末の店舗数は985店にとどまるものの、売上高ではすでに国内最大手のカフェチェーンにのし上がっている。

「バリスタ」対象のアンバサダーカップに強さの秘密

スタバの強さはどこにあるのか。その秘密の一端を解き明かすイベントが、毎年開かれている。コーヒーを入れる「バリスタ」と呼ばれるスタッフを対象にした、コーヒーに関する知識や接客技術を競う「アンバサダーカップ」(写真)だ。

アンバサダーカップに出場するには、コーヒー豆の産地や風味に関して豊富な知識を持つ「ブラックエプロン」という社内資格を取得する必要がある。ブラックエプロンは社員、アルバイト、本社スタッフなどの区別に関係なく取得することができるが、アルバイトと従業員を合わせた2.2万人のスタッフのうち、その取得者はわずか7%弱の1500人に過ぎない。その中でもアンバサダーカップの本大会に出場できるのは各営業エリアから選抜された合計13人のみ。彼らがその年の「トップバリスタ」を目指して競い合う。

アンバサダーカップでは、テイスティング、コーヒー豆の産地当てクイズなど、コーヒーに関する知識を競い合う。決勝戦のテーマは「カスタマーサービス」で、コーヒー豆を買いにきた顧客に対して、どのような豆を進めるのか、接客の仕方を競い合う。

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