スタバのバリスタ、なぜ「豆」を売る カフェ市場成熟でも「原点」教育で生き残る

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

優勝者は会社公認の「コーヒー大使」として社内イベントの講師を務めたり、米国本社のあるシアトルで研修したりといったご褒美が得られる。今年開かれた「アンバサダーカップ2013」の優勝者は東京・港区内の店舗で働く契約社員、昨年開かれた「アンバサダーカップ2012」の優勝者は長野県在住で子供もいる主婦だった。

スキルではなく、「ハート」を競う

アンバサダーカップが特徴的なのは、バリスタに必須とされるコーヒーの入れ方やラテ・アート(カフェラテなどの表面にミルクなどを使って描く模様)を競うといった項目がなく、コーヒー豆の知識や販売方法が重視される点だ。

アンバサダーカップの産みの親で、商品戦略やセミナーといったコーヒー関連を統括する、マーケティング・カテゴリー本部コーヒーリーダーシップチームマネージャーの江嵜讓二(えざき・じょうじ)氏は、「アンバサダーカップはスキルを競う場ではなく、ハートを競う場だから」とその理由を説明する。

スタバにおけるコーヒー豆の売上高は、前13年3月期で44億円と連結売上高の4%弱にとどまる。むしろ売り上げを牽引しているのはコーヒーや、果汁をミックスした氷菓飲料であるフラペチーノだ。

ドリップコーヒーの300円(Shortサイズ)という値段に対し、フラペチーノは期間限定品の場合で590円程度からと単価が高い。今夏も「ストロベリーチーズケーキフラペチーノ」など、比較的高額な飲料を各種そろえている。

米国スタバの原点はカフェでなく豆の販売

にもかかわらず、スタバのバリスタはアンバサダーカップで、なぜ売り上げボリュームの少ないコーヒー豆の販売方法を競うのか。江嵜氏は「コーヒー豆への情熱こそがスターバックスの原点と結びついているから」と説明する。

次ページコーヒー豆の知識蓄える
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事