ようやくリストラ効果、ファミレスが復活宣言 改革を断行が奏功してファミレス御三家が復調

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長きにわたって低迷が続いていたファミリーレストランに復活の兆しが見え始めた。

7月12日、デニーズがマスコミを集めて新メニューのお披露目会を行った。2年半の開発期間をかけ、オリーブオイルを配合した飼料で育てた豚肉を使ったメニューなど、デニーズとしては高価格となる1000円前後の9種類の商品を投入。昨年後半から進めている高価格路線をさらに鮮明にした。

実はデニーズがこうした新メニューの発表会を開くのは初めて。デニーズを展開するセブン&アイ・フードシステムズの大久保恒夫社長は「昨年11月から客単価の上昇が顕著になっている。ファミレスは復活する」と高らかに宣言した。

デニーズに加え、ガストなどを展開する最大手すかいらーく、ロイヤルホストを運営するロイヤルホールディングスの“御三家”の業績は着実に上向いている(図)。

3社の損益が好転した要因の一つは、不採算店の閉鎖が一巡したため。約3000店を展開するすかいらーくは、2000年代前半に年間200~300店の出店を続けた。しかし、「当時に出店した店舗のほとんどが赤字垂れ流しのままだった」(すかいらーく・谷真社長)。同社は08年から10年までに計500店超の大量閉店を断行した(小僧寿しを除く)。

デニーズやロイホも08~11年にかけてそれぞれ200店、100店程度の不採算店の閉鎖を行っている。08年以降、一部業態転換も含め3社で800店以上のファミレスが姿を消したことになる。

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