「マックの厨房で死ぬ」とまで言い切る男

OB・鴨頭嘉人氏に聞く

  外食の巨人――店舗数や売上高では他社を圧倒するマクドナルド。外食企業の最大手として、100円マックや「プレミアムローストコーヒー」の投入など常に話題を集めている。一方で、24時間営業店や店長の未払い残業代の問題で労働環境には悪い印象があり、両極端のイメージで語られてきた。
  ただ、果たしてそれは本当のマクドナルドの姿を写しているのか。マクドナルドに20年以上勤め、退職して新たなキャリアを歩むOBたちは、過去を懐かしみ、堰を切ったように”俺のマクドナルド”を語り出す。
 マクドナルドに25年をささげ、昨年10月に『人生で大切なことはみんなマクドナルドで教わった』を出版したOBの鴨頭嘉人氏に話を聞いた。

――マクドナルドで20年以上、働いてきました

マクドナルドは全国に3300店舗あり、入って1日目のアルバイトでもハンバーガーを作れる。お客様によっては「えっ? マクドナルドって安いから来ているんでしょ」とか、「お店がいっぱいあるから来ているんでしょ」という考え方があるかもしれない。

味で言えばマックよりもモスバーガー派

僕は食べることにあまり興味がない。調理師免許すら持っていないので飲食業には向いていない。ハンバーガーを作っている会社だったらアルバイトをちょっとして、すぐ辞めていた。もともと別にハンバーガーが好きなわけじゃない。

食べ物だったら、ご飯のほうがおいしいし、ハンバーガーだったら、モスバーガーのほうがおいしいと思っているくらい。マクドナルドではハンバーガーが好きで働いていたわけじゃない。僕が命を懸けて生涯働きたいと思ったマクドナルドはただハンバーガーを売っている会社ではなくて、人を作っている会社だった。

働く喜びを多く味わえる会社だったので、アルバイトを4年間、社員として21年間、合計25年間、ずっと生き生きと働いてきた。「僕は日本一のマクドナルド・バカです」と言い切れた。今の仕事を「誰よりも愛しているのは自分だ」と思えて毎日働けたら、もうそれでほとんど幸せじゃないですか。あなたも東洋経済バカなわけですよね?

――まぁまぁの東洋経済バカといったところでしょうか。

本当に気持ちから溢れていたら、毎日仕事に行く前から「今日はお店どうなっているかな」とか、「今度、あのアルバイトに新しいこと教えてやろう」とか、楽しみにできるわけです。サービス業で働くということは、目の前のお客様を少しでも元気にしたいとか幸せにしたいとか、毎日誰かに喜びを提供する“価値ある仕事だ”と気付きました。それを教えてくれたのはマクドナルドだったし、今もマクドナルドに感謝しています。

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