ビジネスにおいて、日本と中国の関係は深い。しかし、日本で伝えられる中国ビジネスの姿は、実態とズレがある。元財務官僚で、マッキンゼーで最年少パートナーとなった金田修氏。現在、中国で起業家として活躍する彼が、ネット業界、流通業界を軸にして、日本には伝わってこない中国ビジネスのリアルをつづる。
最近では少なくなりましたが、日本企業のビジネスパーソンと仕事をする際によく耳にする言葉があります。
「日本品質を打ち出していきたい」
「日本発であることが生きるセグメントで売っていきたい」
「日本ブランドに対して中国人はどういう印象を持っているのか」
私は欧州やアジア各国の会社とも中国で仕事をする機会を多く持ってきましたが、自国の良さをアピールしたいと相談されたことはほとんどありません。
加えて、中国においては、日本発であることのメリットは、数年前に比べて確実に失われつつあります。仮にまだあったとしても、日本を売りにした瞬間に、政治リスクがそのまま経済リスクにつながる。尖閣諸島の領土問題などが起きると、「日本製だからいい」が即「日本製だから悪い」に転じ、日本製品の不買運動に発展してしまいます。
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