ユニクロはなぜ中国人に愛されるのか? 中国で「日本発」を売りにしてはいけない(上)

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尖閣問題をきっかけに、日本企業を暴く動きが

次の検索結果を見てください。

これは中国最大の検索エンジン「百度(バイドゥー)」で、「これ、日本のなの?(是日本的吗?)」と検索された会社のリストです。尖閣諸島の領土問題が起きた後、中国では「この会社って、実は日本の会社だったんだ!」と、ネット上で続々とリストアップされました。多くは少し茶化した感じで検索された結果ではありますが、日本発であることがむしろネガティブにとらえられたのです。

トップに出てくるのは康师傅(カンシーフー)。これは頂新グループという台湾系食品メーカーが保有するブランドで、この親会社の株式を伊藤忠が、また康师傅(カンシーフー)HD自体の株式をサンヨー食品が保有しており、またその子会社の康师傅飲料という会社には伊藤忠とアサヒが出資しています。

こうした出資背景が少し複雑だということもあり、状況がよく理解されないまま、なんとなく日本色が強いと一部で思われていました。このタイミングであたかも魔女探しをするかのようにこの複雑さが関心を集めたというわけです。

その下にある人人網(renren.com)。これはフェイスブックの中国版のようなSNSを運営する会社で、ソフトバンクが昨年末時点で株を45%所有している会社です。このSNSを中国人は日常的に使っているので、「ここからひょっとして日本に個人情報が流れているんじゃないか?」といったうわさが流れたりもしました。

「セブン-イレブンは日本の会社なのか? アメリカの会社なのか?」「中国のセブン-イレブンは合弁だよね」といった議論もありましたし、吉野家や味千ラーメン、ソニー、キヤノンが日本の会社だと知って驚く人も大勢いました。メンソレータムはもともとはアメリカの会社で、ロート製薬が買収しましたが、中国ではいまだにアメリカのブランドだと思われているので、「なんだ、よく見たら日本の会社じゃないか!」と暴かれました。

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