中国市場は日本よりずっとグローバル
日本企業が中国市場で苦戦している要因の1つに、「中国は日本の隣国」という認識から発する「日本からの類推で中国市場を見てしまう」癖があると思います。
なるほど中国は地理的に近く、人種や文化も相当程度似ていますから、日本の延長としてとらえてしまうのもわからなくもありません。しかし、「改革開放」以来30年以上経つ中国は日本人の想像よりはるかにグローバル化が進んでいます。日本市場での成功ルールがそのままでは通用しないケースが多いのです。
中国人はウォルマートやカルフールなどの外資系大型スーパーマーケット(中国語では「超市」)に買い物に行っては、大きなカートに商品を投げ込んでいきます。棚にはP&G、ユニリーバ、クラフト、ダノン、ネスレなどの商品が満載です。漢字表記や中国語の会話が飛び交っていることを除けば、消費行動自体はアメリカによく似ています。
街に出れば、世界中の車であふれています。フォルクスワーゲン(VW)、アウディ、BMW、メルセデスのドイツ勢に加え、ヒュンダイ、起亜の韓国勢、ビュイック、クライスラー、シボレーなどのアメリカ勢、シトロエンやプジョーのフランス勢、VW傘下のシュコダ、セアト、そして中国国産ブランドの吉利やBYD、などなど百花繚乱です。
私は北京に来て初めて間近でマイバッハやハマーを見ました。ベントレー、ランボルギーニ、フェラーリなど数千万円クラスの高級車も普通に走っています。日本車もトヨタ、日産以下すべて存在感を示していますから、車市場全体で見るととんでもなく厳しいグローバル競争が起こっているのです。
日本にたまに戻ると、一部ドイツ車を除いてはグローバルブランドの車はほとんど見当たりません。日本がいかに閉ざされた市場であるか痛感させられます。家電でも食品でも衣料品でも、市場のグローバル化を阻む非関税障壁が実に有効に機能しているからです。
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