日本メーカーの牙城、デジカメ没落の危機

スマホが市場を浸食

画質と携帯性の高さを両立した高級コンパクトデジタルカメラが、にわかに盛り上がっている。

ソニーは11月16日、想定価格25万円の「DSC-RX1」を発売した。これは一眼レフの上位モデルに採用されているフルサイズの大型センサーを搭載したモデルだ。6月に発売した7万円の「RX-100」と併せて販売を強化している。

11月3日には、富士フイルムが高価格帯「Xシリーズ」の新製品で、5万円台半ばの「XF-1」の販売を開始。富士フイルムの松本雅岳・電子映像事業部営業部長は、「いい写真を撮るなら一眼レフという先入観を変えたい」と話す。キヤノンやニコンなどもすでに高価格帯の製品を発売している。

 各社が高級コンデジに注力するのは、ボリュームゾーンである普及価格帯の市場が縮小しているからだ。

最大手キヤノンも販売台数を下方修正

10月に入り、最大手のキヤノンはコンデジの世界販売台数の見込みを2100万台から1900万台へ下方修正。「4分の1程度は中国の(日本製品不買の)影響」(田中稔三副社長)だが、あらためてコンデジの苦境が明らかになった。ニコン(1800万台から1700万台)、ソニー(1800万台から1600万台)なども軒並み下方修正した。日本メーカーの減少幅の合計は約1000万台。今年2月にカメラ映像機器工業会が発表したコンパクトデジカメの2012年の出荷見通しは約9000万台なので、およそ1割下回ることになる。

市場を侵食しているのはスマートフォンだ。たとえば、米アップルのアイフォーン5のカメラは800万画素。高画質なうえに、画像をメールで送ったり、交流サイトに投稿したりしやすく、コンデジがなくても事足りる。「特にローエンド(低価格品)に大きな影響が出ている」(富士フイルムの古森重隆会長)。

これまでコンデジは年間販売台数1000万台が損益分岐点といわれてきた。だが、「競争環境は激化しており1000万台以上で採算が合わないケースも十分ありえる」(カメラメーカー関係者)。

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