なぜ中国で、日本ブランドは売れないのか? 品質で勝ち、ブランドで負ける日本勢

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しかし、実際は日本製品のクオリティの高さは中国消費者にきちんと認識されており、また消費者の購買意欲は今でも旺盛ですから、高機能・高価格は売れない言い訳にはなりません。

ではなぜサムスンの携帯やLGのテレビ、格力のエアコン、シーメンスの洗濯乾燥機に市場シェアを奪われてしまうのか。

その大きな理由は、ブランドの魅力の欠如にあります。その事実を直視し、理解し、対策を打っている日本企業が少なすぎるのではないでしょうか? ニッポンブランドを再活性化するためにも、 日本企業は、今一度中国企業と同じスタートラインに立つべきだと思います。

ヒントは無印良品にある

考えるヒントになるのが「MUJI」(無印良品)です。

機能とデザインを絞り込んだシンプルな商品を提供するMUJIは中国で急速に成長しており、店舗数は13年末までに中国大陸で100店に達する予定だそうです。高価で見栄えのよい商品を好むはずの中国の消費者が、先進国でしか受け入れられそうもない「シンプルなデザインで環境にも優しい」商品を製造・販売する日本企業のショップに惹かれているのです。

このことは、商品の背後にある企業の理念や哲学をちゃんと理解し、それに共感してくれる人がいることを意味します。つまり、ブランドと価値観を共有しながらモノを買ってくれる人たちが、中国の消費者の中に少なからず存在することを示しているのです。

岡崎 茂生 フロンテッジ ソリューション本部副本部長

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おかざき しげお / Shigeo Okazaki

1981年東京大学教育学部卒業、1989年ピッツバーグ大学経営大学院MBA。1982年電通入社、2006年より北京駐在。北京電通 ブランド・クリエーション・センター本部長を経て、現職。30年におよぶ広告・マーケティング領域での経験をベースに、中国企業をはじめタイ、アメリカ、韓国、日本企業などを対象に幅広くブランド戦略コンサルティングを行なう。アジア各国およびアメリカの大学/大学院でのブランド講座・公開セミナー、フォーラムでのスピーチ、雑誌連載など多数。チュラロンコン大学商学部マーケティング学科客員准教授、南京大学ジャーナリズム&コミュニケーション学院客員教授、湖南大学ジャーナリズム・コミュニケーション&映像芸術学院客員教授。

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