ユニクロも僕も大変、でも今は大チャンス 柳井氏後継候補の1人 堂前宣夫 (上)
――国内では他の追随を許さないファーストリテイリング(FR)。1984年に広島に「ユニクロ」1号店を出店以来、今13年8月期は売上高1兆円の大台突破が確実。だが、トップの柳井正会長兼社長(63)がそれで満足することはない。目標はあくまで世界一、2020年の売上高5兆円だ。
柳井ばかりに脚光が当たりがちだが、柳井を支える「ナンバー2」格にもきらびやかな人材が多数いる。主に国内やアジア全体を統括する大笘直樹(52)、MD(商品政策)を一手に担うダイエー出身の中嶋修一(49)、中国では潘寧(パンニン)などだ。さらに急成長している「ジーユー」ブランドを率いる柚木治(47)も注目度が高い。
堂前宣夫も、その「ナンバー2」格の1人だ。だが、入れ替わりが激しいとされるFRのトップ級役員の中で、43歳にして在籍はすでに約15年。あまりマスコミの前に登場しないが、98年の「フリースブーム」から米国事業の立ち上げ、昨年のニューヨーク5番街出店に至るまで、ユニクロとともに大きく成長してきたキーパーソン中のキーパーソンだ。
人工知能の研究者を目指していた
本人は「ただ一生懸命やってきただけ」と用心深い。低姿勢を崩さない。もちろん、FRの中では有数の切れ者として通っている。当然ながら、次期トップ候補の1人でもある。だが、冷静に話す見掛けと、内面はまったく違うのかもしれない。過去には柳井と反りが合わず、会社を飛び出したこともあるのだ。
FRはそもそもいったん辞めた社員でも条件が折り合えばすぐに再入社、と比較的出入りが「自由」な企業の1つ。だが、役員クラスとなると話は別だ。玉塚元一(現ローソン副社長)のように、柳井の下を去っていった人物が圧倒的なのだ。それからすると、堂前は例外中の例外の「ナンバー2」なのだ。
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