きゃりーぱみゅぱみゅを起用、ユニクロの停滞補うジーユー
カジュアル衣料品店「ユニクロ」を運営するファーストリテイリング。国内では主力のユニクロが飽和状態にある中、力を注ぐのが別ブランドで展開する低価格業態「ジーユー」である。
ファーストリテイリングの全額出資子会社であるジーユーは9月4日、2012年秋冬シーズンの事業戦略説明会を開いた。今後1年で60店を新たに新設(今年8月末177店、前期新設は35)まで拡大。今後2年以内をメドに海外進出も果たし、2014年8月期には売上高1000億円(12年8月期約580億円)を目指す。
カギの一つがブランド戦略だ。ジーユーは人気ファッションモデルの「きゃりーぱみゅぱみゅ」をイメージキャラクターに新たに起用。ファッション専門店としてのイメージ定着を狙い、テレビやインターネットを通じた露出を増やす。
店舗展開では、これまで手薄だった都心への侵攻を加速。10代の若者中心の品ぞろえから、20~30代の「大人女性」を意識した商品も充実させるほか、メンズ向けのテレビCMや子供服の拡充など、新しい客層の開拓にも本腰を入れる方針だ。
ジーユーは990円の激安ジーンズなど低価格のベーシック衣料で拡大してきたが、ユニクロと顧客を奪い合う「カニバリゼーション」が指摘され、成長の限界説が出ていた。だが、“廉価版ユニクロ”からの脱皮を狙い、11年3月からはファッション衣料を積極投入。人気アイドルをイメージキャラクターに起用し、テレビCMも積極的に展開した。