ロイヤルホスト、内紛劇の舞台裏 会長が現体制に反旗
ファミリーレストラン「ロイヤルホスト」や「リッチモンドホテル」を運営するロイヤルホールディングス(HD)で内紛劇が露呈した。
2月3日、同社は今井明夫氏(65)の会長職を解職したと発表。同時に3月25日に開く予定の株主総会で、今井氏と、同氏と対立する最高顧問の榎本一彦氏(67)を取締役から退任させる会社提案も併せて発表した。
騒動の発端は今井氏を含む13人の株主が提出した株主提案だ。同提案書では、「一人の非常勤取締役である最高顧問が会社を私物化し、短期的利益を重視することで、サービスと従業員の処遇を軽視している」と指摘。長年実質トップに居座る榎本氏を痛烈に批判し経営陣の刷新を求めた。
榎本氏がオーナーを務める福岡地所との関係も問題視。本誌の取材に対して、今井氏は、「ロイヤルHDのホテル子会社の株式について、榎本氏は福岡地所への売却を要請してきたばかりか、自分の親族を社長にすることも指示してきた」と怒り心頭だ。今井氏と共同の株主提案者には、ロイヤルHDの前取締役や子会社の現取締役なども含まれており、“反榎本派”のグループが結束した格好になる。
一方、ロイヤルHDの菊地唯夫社長(45)ら会社側は記者会見を開き、今井氏側の言い分を否定。弁護士などから成る第三者委員会で、3月中にこうした問題の調査結果を明らかにする方針を示した。
今井氏側とは話し合いの場を設けたが決裂したと説明。「会長の適格性に欠ける」として解職を決めたという。榎本氏も同時に取締役から外すことを決め、混乱を早期に収束しようとする意図も見える。