反攻するすかいらーく、米投資ファンド傘下で活路
米投資ファンドのベインキャピタルは11月、野村ホールディングス傘下の投資会社などが持つ外食大手すかいらーくの全株式を総額約1600億円で取得する。ファンドがかかわる日本企業の買収としては、2008年のリーマンショック以降、最大の規模だ。
企業コンサルティング発祥でマーケティングなどに強みを持つベインは、米ドミノ・ピザやバーガーキングなどに投資しており、「日本でも小売りや外食の案件を手掛けたかった」(杉本勇次マネージング・ディレクター)。10年10月から野村へアプローチし、1年がかりで実現した。
成長分野に殴り込み 「他社のまね」との声も
外食市場は1997年の30兆円をピークに10年は23兆円と右肩下がり。その中で、すかいらーくの業績は改善が進む(図)。本業の儲けを示す営業利益は10年12月期で131億円と回復。減損損失などで当期純損益は5期連続の赤字だが、どれだけキャッシュフローを生んだかを表すEBITDAは、ライバルと肩を並べる水準だ(表)。「(外食で)これほどキャッシュを生み出せる企業は少なく魅力的だ」(杉本氏)。