反攻するすかいらーく、米投資ファンド傘下で活路

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縮小

改善の理由は、野村支援の下で不採算店の閉鎖が進んだことにある。

00年代前半、すかいらーくは市場が縮小する中、大量出店によって売り上げを拡大。その分、不採算店が増え、収益体質が悪化。店の数は4400近くに膨らみ自社内での競合も多発。業績は悪化の一途をたどった。

06年には、経営の一線を退いていた創業家の横川竟氏がトップへ就任。「既存の仕組みを壊して新しいすかいらーくを作る。5万人いる株主に迷惑はかけられない」との理由から、野村と組んでMBO(経営者が参加する買収)に踏み切った。

が、歯止めはかからず、業績は下降線をたどる。業を煮やした野村は08年に横川氏を解任し、非創業家で子会社社長だった谷真・現社長を抜擢。谷社長は不採算店の閉鎖を加速し、店の数は約3600まで減った。今は赤字店がゼロという。

そうした中での株主交代。すかいらーくに対してベインが求めるのは、言うまでもなく再成長である。

続投する谷社長は「来年は75の出店を考えている」と出店の再開を明言。中心は駅前立地で小型の「ガスト」(駅前ガスト)と「ステーキガスト」の二つだ。

駅前ガストは、駅ビルの地下や2階などに出す。ロードサイドにある従来の「ガスト」と比べて、店舗面積は狭くなるが集客力があって客の回転がよく、投資額も安く済む。

もう一つのステーキガストは、名前のとおりステーキメニューを強化した。加えて、売りにするのがサラダバー。1000円超のステーキを注文すれば、サラダやカレーの食べ放題がセットで付く。実は、サラダバーのセットは競合のエムグラントフードサービスが「ステーキハンバーグ&サラダバーけん」で始めて人気になった。同社の売り上げは、設立された06年の3億円から11年は225億円に拡大する見込みで、すかいらーくも二匹目のどじょうを狙う。

ほかにも、ハンバーグ牛丼などが目玉の「どんぶりガスト」を始めたほか、既存の店ですでに展開している宅配事業を拡大し、ワタミなどが先行する高齢者向け給食宅配にも参入する計画を立てる。

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