女子ゴルフ協会「放映権問題」は何で揉めたか 小林浩美会長は「説明不足」を謝罪したが・・・

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大きかったのはJリーグだ。1993年発足時から映像を一括管理している。発足前の日本サッカーリーグ時代はテレビ局も価値を見いだしていなかったのか、試合の生中継などはほとんどなかった。

そのため、一括管理がしやすかったのかもしれない。2017年にスポーツ動画配信サービス大手のDAZNとインターネット・モバイル配信やケーブルテレビなどの放映権を10年約2100億円で契約した。この資金もあってJ1の各クラブには年間5億円前後が配分され、サッカーの普及活動などにも使われているという。Jリーグは映像制作を行って著作権を持っているので、さらに用途が広がっている。

海外ではアメリカをはじめ、スポーツの放映権料が高騰している。それだけ、スポーツがテレビにしろ、インターネットにしろ、優良コンテンツになっている。放映権を持つ競技団体には資金が入り、選手への年金なども充実している。

現時点で判断するのは時期尚早

放映権で得た利益の使い道について、小林会長の会見では「選手や会員への投資、トーナメント価値向上のため」に使うとしているが、ツアー成り立ちの経緯からいっても協会だけではなくゴルフ界全体に好影響を与えてくれる方策につなげていくことが重要だろう。男子ツアーも同様の動きをしていくかもしれない。

その経過、結果をみながら今回の判断への評価をすべきだと思う。2019年の賞金額は減っても、2020年は、5年後は……どうなっているかわからない。

法的根拠がないので女子ゴルフでの放映権を「既得権」とは言わないが、「暗黙の了解」をやめて「適法に」(小林会長)放映権を競技団体として使う第一歩が今回の主催者との同意となる。

テレビ局は、今のところ放映権料を徴収されるリスクはない。LPGAがどんな新しい形で情報発信をするか、まずはお手並み拝見でいいのではないだろうか。

赤坂 厚 スポーツライター

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あかさか あつし / Atsushi Akasaka

1982年日刊スポーツ新聞社に入社し、同年からゴルフを担当。AON全盛期、岡本綾子のアメリカ女子ツアーなどを取材。カルガリー冬季五輪、プロ野球巨人、バルセロナ五輪、大相撲などを担当後、社会部でオウム事件などを取材。文化社会部、スポーツ部、東北支社でデスク、2012年に同新聞社を退社。著書に『ゴルフが消える日 至高のスポーツは「贅沢」「接待」から脱却できるか』(中央公論新社)。

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