10~20代の自分の息子や娘が、一般的なサラリーマンが生涯に得る収入の数倍、数十倍を得られるかもしれない――。
いったい誰の話か。答えはゴルファーだ。たとえば石川遼、宮里藍。彼らはアマチュア、しかも高校生のときに日本のプロツアーに優勝して一躍大スターになった。プロに転向するや、ゴルフ業界に限らず、さまざまな企業が契約を結びイメージキャラクターなどに起用。ツアー賞金以外にも、億円単位のおカネを稼ぎ出す存在になった。
「遼くん」「藍ちゃん」に理想重ねる
そんな「遼くん」「藍ちゃん」を夢見てか。子供が本格的なゴルファーを目指す例が目立ったのが2000年代後半からだ。それまでのゴルフ界でのスター選手といえば、AON(青木功、尾崎将司、中嶋常幸)や樋口久子、岡本綾子といった「大人」たち。ゴルフをやっている少年少女たちでさえ、ちょっととっつきにくい「雲の上の存在」だったに違いないが、スター選手が子供たち、ジュニアのレベルまで降りてきてくれた。
ちょうど、男女ともゴルフをやらない人も巻き込めるような「スター」不在の時期で、ツアー人気も下降気味だったころ。バブル終盤の1992年ごろに1200万~1400万人ともいわれたピークに達してから、徐々に減っていったゴルフ人口は、この時期、一瞬下げ止まりした。
少年、少女が自主的に始めるプロゴルファーを目指すケースもあるだろうが、「うちの子にもできるかもしれない」と夢を膨らませて親が子どもにゴルフを始めさせている家庭も少なくないはずだ。そんなきっかけから目指すプロの道。言い方は悪いかもしれないが、成功すれば親子で一攫千金だ。
だが、その道は甘くない。ゴルフには大きな「壁」がある。
筆者は、米国で開催されるキャロウェイ世界ジュニアに日本代表選手を送っている国際ジュニアゴルフ育成協会の仕事を通じて、下は5歳ぐらいから、上は高校3年生まで、日本全国のジュニアゴルファーや、その親に話を聞く機会が多い。
上位に来る選手たちはたいてい、平日は毎日練習場で打ち、休日はラウンドをしている。そこで出てくるのがおカネの問題だ。子供とはいえ、ゴルフをやるには先立つものが必要だ。
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