女子ゴルフ協会「放映権問題」は何で揉めたか 小林浩美会長は「説明不足」を謝罪したが・・・

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数字だけ見ると、テレビ局にとって魅力的なコンテンツとは思えない。それでも女子ゴルフにおける放映権にこだわるのは、何か魅力があるのか、単に手放したくないだけなのかはわからない。

インターネット生中継でゴルフを見る人が増えるとすれば、ゴルフ界にとっては魅力的だ。面白いと思ってもらえたらゴルフを「見る」から「する」に変わってくれる期待もある。

ゴルフツアー全体をインターネット生中継した前例がある。このコラムでも紹介したが、男子レギュラーツアーの下部ツアー「AbemaTVツアー」12試合を今年、AbemaTVが初日から最終日まで生中継した(『「アベマTV」がゴルフ中継に乗り出した狙い』2018年3月30日配信)。

各日の最高視聴数(注:総アクセス回数を指す)が38万9700回、最低が8万9100回、平均は1日18万7000超ほど。この数字を「少ないでしょ」という方が多いのだろうが、元々ゼロだったのだから伸び代はある。

ネット中継に活路を見いだすこともできる

顔も名前もあまり知られていないこれからの選手たちではなく、女子ツアーはすでに人気選手を多数有するツアーなので、もしインターネット生中継されればどうなるかを見てみたい気がする。

また、韓国、台湾はじめ、アジア各国から選手たちが来ている。そうした国では日本のテレビ放送を見られるのは限られている。インターネットで放送されたら、逆に日本選手のファン層が広がるかもしれない。

こうした試合の映像を2次利用して商品化も可能だろう。

主催者やテレビ局がせっかく持っていた放映権で得た過去の貴重な映像を、自社では使うことはあっても、ほとんど眠っているのではないだろうか。まとめて何かをできない状態を解消できる。

今回の協会一括管理の話し合いの中で「放映権により得た対価から、管理費等を引いたうえで、施設管理権を有する主催者に対して、分配金という形で還元したい」(小林会長)という提案もしている。

プロスポーツの競技団体が自分たちの公式の試合の放映権を持つ、というのは、そのスポーツの普及、発展に役割を果たしている。

プロ野球の場合は各チームが放映権を持っており、強くなって人気が出ると、テレビ局に「売る」放映権料も上がって球団収入も増え、選手の年俸などにも跳ね返ってくる。残念ながら、視聴率の関係もあって地上波テレビ放送は少なくなっているが……。

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