プロゴルフのツアーで、年末年始の恒例行事である来年の日程発表。今年の発表は男女レギュラーツアーとも、笑顔があまり見られないものになった。
近年、試合数の「停滞」に悩んでいる男子は12月19日に来季日程を発表、アジアンツアーとの共催の1試合がなくなり、24試合になる。しかし、賞金総額は過去最高の42億9475万円になった。通常なら喜ばしいことではあるが、日本ゴルフツアー機構(JGTO)の青木功会長はじめ競技関係の上層部はあまり表情を崩さない、というか、崩せない。
会見でも指摘されたのが、アメリカツアーとの共催で行われる賞金総額975万ドル(発表時換算で11億175万円)の新規大会「ZOZO CHAMPIONSHIP」が押し上げただけということ。他の大会で最高額は2億円。1桁違う。この大会の優勝賞金が、日本のこれまでの大会1試合分にあたる175万ドル(発表時換算で1億9775万円)。1試合勝てば賞金王が決まるといっていい。
賞金ランキングへの加算は、他のツアーとの共催試合の「グローバルスタンダード」という50%と発表されたが、それでも約1億円。会見に出席した今季賞金王の今平周吾の獲得賞金は1億3911万円だった。
年間賞金額を1試合で稼げる大会は確かに選手にとっては魅力的。主に世界ランクで決まる出場選手の大半は欧米ツアーの選手だが、出場する日本選手にもチャンスはある。もし勝てば、その後の賞金王争いの面白さがなくなってしまう可能性が高い。そのあたりが、手放しで喜べない事情だ。
女子ツアーでは大きな動きが
例年右肩上がりで明るさが目立っていた女子ツアー。12月18日に日程を発表した。2019年のレギュラーツアーは2試合減の36試合、賞金総額も37億500万円の3336万円減で8年ぶりに賞金総額が減少した。
宮里藍が引退したとはいえ、「黄金世代」という20歳前後の選手たちが出てきて、人気は上昇を続けているのになぜ?
「放映権(放送権)」をめぐってテレビ局との対立があり、そのうち日本テレビやその系列局が主催者となっている3大会が開催を取りやめ、1試合は冠スポンサーが撤退したからだ。報道などでご存じの方も多いかもしれない。
日本女子プロゴルフ協会(LPGA)は2017年8月から放映権の協会一括管理を主催者やテレビ局に打診してきた。約1年半の交渉を経て、2019年の日程編成に当たって、2018年12月13日までに「一括管理」を認める協約書を締結しなかった主催者の大会がなくなったということだ。
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