人気がある今、その改革に着手した小林会長の考え方は、間違っていないのではないだろうか。
小林会長は「放映権の考え方を確立することができ、ゴルフ界にとっては画期的なことになった」と声を大きくした。反発したテレビ局の大会が中止になったことがクローズアップされるが、来季開催される36試合の主催者がその考えに同意したということのほうに意義があると筆者も考えている。
ただ、これまでの経過について「説明不足」の声もあり、小林会長が言う「守秘性が高い」部分もひっくるめて、丸ごと情報を出さず、コメントなども発してこなかった。その点で選手たちが声を上げ、会長は説明不足を謝罪している。
また、国内女子プロゴルフツアーの選手らが開催継続に向けた行動にも乗り出しており、放送局側とLPGAが交渉再開を予定するなど大会存続の可能性もまだ残されている。
放映権料の請求については「公認競技の地上波放送、BS放送、CS放送においては、無料のままとし、当分、放映権料をとるつもりはありません、と最初から説明しています」(小林会長)としているので主催者側が同意したともいえるが、協議は継続していくという。
放映権の「使い道」のほうが問題
今後は一括管理する放映権の「使い道」のほうが問題になる。LPGAの場合はインターネットによる試合の生中継が挙げられている。
大会ごと、個別にこれまでインターネット生中継を始めているのは、このコラムでも紹介してきた。インターネット中継は今後さらに可能性が出てくる。
携帯電話などモバイル通信で新しく「5G(第5世代通信)」に、数年以内に変わっていくというニュースをよく目にする。動画などもこれまで以上にスムーズに、低コストでより広範囲で受けられるという。都会よりも郊外に多いゴルフ場にとって恩恵がありそうだ。
現在のテレビ中継は、生放送が多くなってきているが、最終日は録画ということが多い。中継もテレビがある場所にいなくては見られない。インターネット生中継ならどんな場所でも視聴可能。仕事中の休憩時間や移動時間、ゴルフをプレーしながらなど、どこでも見られる強みがある。
今季の女子ツアーのテレビ放送の平均視聴率は生中継が多い土曜日の平均は関東4.2%、中部3.8%、関西3.7%で、録画中継が多い最終日は関東5.1%、中部と関西5.2%と、昨年より若干上向き傾向にあるが、ここ数年は5%前後で推移している。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら