AIが予測、100年後の「絶品料理」はどんな味か 「世界一美味しくない」といわれる食材を使用

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エチオピアの主食とされるインジェラのもとであるテフを口に入れる石川善樹氏(右)と、それを見守る松嶋啓介氏(左)。「どう?」(松嶋氏)「……まずいっすね」(石川氏)「でしょ、これを使えってAIは言うから、困りましたよ……」(松嶋氏)(写真:HILLS LIFE DAILY)

石川:これからは、世界の若い人のほとんどがアフリカ人になりますから、「100年後の『ミシュランガイド』」的には間違っていないのかもしれません(笑)。

松嶋:ひとつひとつ味見をしながら、理解して、少しずつ味を組み立てているので、そこそこの味には落とし込んでいますが、正直、これまでの中で一番難しかったです。正確にいうと、自分が知らない味の食材がたくさんあった、ということなのですが。

石川:松嶋さんは、むちゃくちゃ物知りですから、その松嶋さんでも知らないものを出せたのは、ある意味鼻が高いです。

「よくわからない味」になった

石川:AI料理の一品目は、牡蠣ですね。

松嶋:はい。中にネギ、小エビ、いくら、きゅうり、アロエ、れんこん、昆布が入っています。

石川:食材を組み合わせる時の難しさは、どの辺にありましたか? 素人だとわからないんですよ。

松嶋啓介(まつしま けいすけ)/1977年福岡県生まれ。シェフ・レストラン経営者。料理学校卒業後、東京のレストランに勤務し、料理修業のため渡仏。フランス各地での修行を経て、2002年、ニースにレストラン「Kei’s Passion」開店。2006年、ミシュランガイドで一ツ星を獲得。同年、増床改装し、店名を「KEISUKE MATSUSHIMA」に改める。2009年、原宿に「Restaurant-I」(現「KEISUKE MATSUSHIMA」)をオープン。(写真:HILLS LIFE DAILY)

松嶋:普通、牡蠣に何をかけて食べるかと言ったら、レモンのように酸っぱいものが多いですよね。

でも、今回AIが出してきた牡蠣の食材リストに酸っぱいものは入っていなかったので、勝手にレモンを加えました。レモンをかけないで食べると、味がのっぺらぼうでしたね。

石川:そうですか。

松嶋:いろいろ食材が入っていますが、何が入っているのか、食べていてもよくわからない感じがしました。今回のテーマに即して言うなら、「平和というのは、よくわからないもの」なのだなと。

石川:そういうことですね(笑)。

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