「自炊力」が食生活改善にここまで重要なワケ 自炊できなくても自分を責めてはいけない

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テレビでたまに、料理教室に通う中高年の姿が報じられることがあります。この手の番組はよく「何かを始めるのに遅いなんてことはひとつもない!」といった、きれいな言葉でまとめられています。これが私は、ずっと疑問でした。

何かを学ぶというのは「やる気・経済力・時間」の3つがそろって初めて成立するもの。中高年以降にこの3つがそろう人は相当少ないと思うのです。

現在の20代、30代は貯蓄意識がとても高いと聞きます。「将来、病気になったときの出費が心配」と懸念する人が多いのだとか。保険に対する関心も高いようです。そういう人たちにこそ、「自炊力の取得」を訴えたい。経済的に料理をしつつ、栄養のことも考えられ、余った食材を次の料理に使い回せるスキルの取得を。

しかし仕事やほかの家事、育児などで余裕がなく、料理にかける時間と手間はなるべく少なくしたい、という人が多いのも現代の潮流。

「自炊が大事なんてわかっている。けれどそれをやる気力がないのだ」という声も、これまでたくさん聞いてきました。

世の中には、これから料理を覚えようという人のための本はいくらでもありますね。簡単料理、時短料理(調理時間が数分しかかからない料理)のレシピ本も山ほどあります。ですがこれらは「料理を始めよう」という決意と準備が整った人のためのもの。

「料理をするのは今のところ難しいけれど、そりゃ食生活は少しでもより良いものに変えたい、変えていきたい」と願う人にこそ、「こんなことでもOKなのか」というヒント集が必要だと私は思っていました。

さらにいえば「料理ひとつもできず、恥ずかしい、情けない」と自分を責めている人も少なからずいます。その自責の念によってさらに自炊から遠ざかってしまうという悪循環。拙著『自炊力 料理以前の食生活改善スキル』は、そんな人たちへの応援歌のつもりで書きました。

面倒くさいことは誰しもあるもの

料理において何を面倒くさいと思うか?

これも人によりけりですね。たとえばこの私なら正直、家で揚げものをしようとはあまり思いません。それからひき肉をこねて作る料理がどうにも……面倒くさい。

揚げものは何度もトライしてきました。もちろん家での揚げたては格別のおいしさ。食べる瞬間はすごくうれしいし、達成感もひとしおです。

けれどやっぱり……揚げ鍋の片づけ、油の処理を思うと腰が引ける。うまいことカラッと揚がらないときの徒労感、失望感もハンパない。

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