「自炊力」が食生活改善にここまで重要なワケ 自炊できなくても自分を責めてはいけない

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自炊力もこれから問われ続けるスキルとなります(写真:Ushico / PIXTA)
面倒くさい? 時間がない? 料理が嫌い? いつまでも「誰かがご飯を作ってくれる」わけじゃない今の時代。フードライターの白央篤司氏の著書『自炊力 料理以前の食生活改善スキル』を基に経済的で健康的でおいしくて楽しい生活のためのスキルの一部を紹介します。

生きていくうえでとても大事なスキル

「料理力より、自炊力を」前々から、こう思っていました。私の思う「自炊力」とは、

・自分で買い物に行って、その場で献立を決められる
・食材の質と値段のバランスを考えつつ買い物ができる
・その時に買ったもの、家にすでにあるものを取り混ぜつつ、数日分の献立を作り回していける
・なおかつ栄養バランスを考えられる

といった能力の総合力です。生きていくうえで、とても大事なスキルです。

こういうことを考えるようになったのはまず社会に出て、生活習慣病にかかる先輩方を少なからず見てきたということがあります。高血圧や糖尿病になり、食事が制限されてしまう。働き盛りで食べる楽しみ、飲む楽しみが制限されてしまうつらさは、想像に難くありません。将来そういう状況になって、病気のことを考えた料理を作ってくれる人もなく、自炊も苦手だとしたらどうなるか?

さらに現代はパートナーに頼りきるような時代でもないですよね。生活習慣病に限らず、加齢と病気はセットのようなもの。どんなに心がけていても何かしらにガタはくる。そのとき「何をどう食べたらいいか、何を補給し、減らすべきなのか」を考え、情報を適切に取捨選択しつつ、食事を自分で賄えるスキルは男女問わず必要ではないでしょうか。

また2つ目には経済的な理由もあります。その時々で安い食材を調理・保存でき、うまく使い回せる食生活を送れたら、こんなにいいことはありません。

そして特別おいしくとまではいかずとも、自分なりに満足のいく味つけができるスキルを保持できれば、人生を通じて自分のQOL(Quality of Life:生活の質)をかなり上げられるはずです。

私は30歳でフリーランスのライターになったこともあり、健康と経済性のことを強く意識して食生活を送るようになりました。

簡単にいえばその日の特売品をうまく使い回して、なるべく無駄を出さずに、なるたけおいしく食費を切り詰めたい、ということです。ともかくも料理は場数、できる限り料理をするようになりました。そして、焦りもありました。年を取るとだんだんと学ぶことも億劫になっていくに違いない、早く自炊力を身に付けておかなくては、という焦燥感です。

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