ホームレスの「儲けすぎはご法度」な稼ぎ事情

空き缶や古雑誌を売ってどれほど儲かるのか

「値段が高くなると、一般の人も集めるようになるんだよね。儲かるからさ。俺らみたいに歩きや自転車で集めるのと違って、軽トラでガンガン回って集めるわけ。俺らの集める分がなくなっちゃうんだよね。ホームレスの仕事ってのは“儲からない”ってとこがポイントなんだよ」

空き缶を集めるホームレス(筆者撮影)

比較的若いホームレスが、自転車を使って目いっぱい一日働いて3000円が限度だという。1キログラム100円として、30キログラムだ。1日で30キログラムの空き缶を集めるのはすごいと思う。

確かに、それだけ働いて3000円ではいかにも儲からない。この額では「よし俺もやってみよう」とはなかなか思わないだろう。

僕がホームレス取材を始めた20代のころ、実際に自分でアルミ缶を集めたことがあった。

缶はただ集めればいいわけではない。缶には、スチール製とアルミ製の2種類があるので、アルミ製だけ選別して集めなければいけない。ゴミ箱に手を突っ込んで、一つひとつ判別しながら集めていく。

空き缶のゴミ箱は飲み残しなどでビシャビシャになっていることが多い。袖が濡れ、悪臭を放つ。2時間も働いているとかなり汚れた。道行く人たちの目が、とても痛かった。

空き缶もそのまま運ぶとかさばってたくさん持てない。そのため一つひとつ潰さなければならない。人けのない公園に行って、一つひとつ足で踏んで潰していく。しばらく続けると、足がジンジンと痛くなった。

以降、集めては潰しを繰り返しながら進んでいく。結局、池袋から上野まで13時間かけて歩いて空き缶を集めた。その結果、稼いだお金は500円程度だった。

時給は50円を切った。

慣れればもっと効率は良くなるかもしれないが、それでもとても厳しい売り上げだ。

アルミニウムや銅で稼げる手もある

「なかには、マンションの管理人と仲良くなって、マンションから出る空き缶を全部もらっている人もいるよ。でもタダというわけにはいかないよ。タバコやお酒を渡して機嫌を取らなくちゃいかん」

ただでさえ少ない実入りなのに、そこから賄賂を渡さなければならないのはつらい。ただし、マンションなどから出るアルミ缶はかなりの量なので、安定した収入になるそうだ。

銅線を抜いたコードの山(筆者撮影)

もちろん、アルミ製であればアルミ缶に限る必要はない。たとえば、アルミ製の自動車のホイールを拾えばそれだけでかなりの重量になる。

アルミニウム以外の金属も売れる。鉄は安いので量を集めないといけないが、銅は1キロ700~800円とアルミニウムよりもかなり高い。給湯器やクーラーの室外機は金属の塊なので拾ってくると儲かるが、非常に重たいので持ち運びが大変だ。

工事現場などから、銅線のリールなどを盗んできて売る人もいる。もちろん違法だ。忍び込んでいるところを逮捕される人もいる。

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