多摩川の河川敷に立派な小屋を建てて住んでいるAさんは、金属だけでなく、さまざまなモノを拾って現金化していた。
小屋の周りには拾ってきたさまざまな物が置いてあった。選別している最中のAさんに話を聞いた。
「小屋は材料を買って建てたんだよ。材料費だけで20万円くらいかかったかな。しっかり作ってあるから夏でも冬でも快適だよ。中にはベッドも置いてある。もともと鳶職だから器用なんだよ」
と笑顔で語ってくれた。小屋を作るのに20万円もかけるとはすごい。エンジン式の発電機も持っていて、ある程度文化的な生活を営めている。つまり“稼げている”ということだ。
「1日街を回っただけでかなりの量拾えるよ。たとえばこんなのはたくさん落ちているね」
指差すカゴの中には、新旧さまざまな型のデジタルカメラが入っていた。
「中古はもちろん、新品も落ちてる。コンパクトカメラではなくて、一眼レフカメラを拾うこともある。この間は、ニコンF2を拾ったよ。名機だよね」
ニコンF2は1971年に発売された、機械式フィルム一眼レフカメラだ。古いカメラだが、愛用者も多い。骨董品的な価値もある。
数千円の儲けになったそうだ。
粗大ゴミや燃えないゴミの中には遺品も
粗大ゴミや燃えないゴミの中には、そんな換金できる物がたくさん落ちているという。
「いちばん落ちてるのはゲーム機だね。初代プレイステーションはもう100円くらいにしかならない。人気のゲーム機は壊れてても500~2500円くらいになる。あとはミュージックプレイヤーや時計、ライター、携帯電話なんかもよく捨ててあるね。市販されてるCD、DVD、ゲームソフトが山のように捨ててあることもある。どれもさばき方によってはいくらかの値はつくよ」
そんななか、最も換金率が高い狙い目は“金(きん)”だという。
「ゴミのなかに金とか落ちてないと思うだろ? でもこれが不燃ごみのなかによく捨ててあるんだ。爺さんや婆さんが死んだ時に出た遺品を適当に捨てちゃってるんだろうね。指輪とか金歯とかが出てくること多いよ。一度なんか大きい金の盃を拾ったことがある。しっかりK18(75%金)刻印もあって、50万円になったよ」
無料会員登録はこちら
ログインはこちら