17歳バレー部員が自死した高校の杜撰な対応 校長は、息子の遺書を「メモ紙」として扱った
驚いた母親は、顧問に会った際に「落ちちゃいましたね」と自分から声をかけた。すると、「僕も雑誌を見て知った」と答えたそうだ。しかし、日本バレーボール協会が部活動の責任者である顧問に対し、合否を知らせていないとは考えづらい。顧問に何らかの思いがあり、あえて結果を連絡しなかったと考えるのが自然だ。
県教委の調書にも、今年の春くらいから顧問の生徒への当たりがきつくなったと答えた部員がいた。
母親も「(代表から)漏れてしまってから、(うちの子への)当たりがきつくなったのかもしれない」と振り返る。
両親によると、顧問はもともと、カッとなりやすいタイプだったという。怒ると何を言っているかわからないほど、早口でまくしたてる。試合後の説教も長かった。汗に濡れたユニホーム姿の選手を1時間以上立たせたまま話し続けることもあった。
体罰で係争中の顧問を、なぜ県と学校は配置したのか
もうひとつ不可解な点がある。一部報道でも明らかになっているが、この顧問は前任校での体罰を元バレー部員に訴えられ、係争中だ。しかし、そうした事実を両親を含む部員の保護者が知ったのは、生徒が亡くなってからのことだ。そもそもなぜそうした人物を、県教委と学校側は平然とバレーボール部の顧問にしていたのか。
「顧問が元部員に訴えられていることなど、僕らはまったく知らされていなかった。そんな教員だとわかっていれば、任せたりしなかった」と父親は憤りを隠さない。
そうした両親に対し、不来方高校の校長の対応はそっけない。新聞報道などでも紹介されているが、校長は問題発覚当初から「顧問の指導に問題はなかった」の一点張りだ。亡くなった生徒の遺書、また県教委の調書にも、顧問による度を超えた指導の様子が書かれているにもかかわらずだ。
母親は息子の私物を受け取りに学校へ行った際、校長と教頭、担任に遺書のコピーを渡している。そして、「先生(顧問)のことが書いてあるので、先生に見せますよね?」と促した。ところが校長らの反応は、「見せません。いま、(顧問は)精神的に弱っているので」と断られたという。
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