開催期間の休日化が人生の大きな岐路になり、対策に苦慮しそうで気になる人たちがいます。それは「2021年卒」の学生たち。現在は大学2年生で再来年に就職活動をすることになります。そう、まさにオリンピック開催時期に就職活動をすることになります。
現在は1年先輩である「2020年卒」の学生に対する選考の指針が経団連から出たところです。2020年卒の学生に対する選考時期は2019年の春から秋が中心になります。経団連が出した指針によると、学生が本分である学業に専念する十分な時間を確保するため早期に行うことは厳に慎むべきとされており、会社説明会のスタートは2019年春から。選考活動は6月1日以降。正式な内定日は、卒業・修了年度の10月1日以降としています。
この指針に対し、経団連に加入している企業は表面的には遵守。選考活動は真夏に佳境を迎える前提になっています。
ただ、優秀な学生を確保したい企業側の思惑もあり、真夏を迎える前に内々定を出して学生を確保する企業が大半。指針が形骸化しつつあるのが実情です。こうした背景もあり2021年卒からは選考期間の指針を示さない方針が、経団連の中西宏明会長から表明されました。タイミング的にオリンピックの開催年と重なっています。企業の選考期間は自由……ですが、真夏の約1カ月半は選考が困難。いったいどうなるのでしょうか?
ガイドラインが廃止に?
景気がよくなると企業は人材を確保するため「青田買い」と呼ばれる、早期からの選考活動に入りたがる傾向があります。ただ、それが過剰に行われると学生の本分である学業に支障をきたすとの観点から、選考時期にガイドラインを示す就職協定が1952年に定められました。
ただ、1996年に廃止になったので、経団連の指針がそれに代わるガイドラインとして機能していたのは事実です。形骸化していたとの意見もありますが、大企業の大半は表面的には遵守していたので青田買いの加速を抑制する機能は果たしていたと認識しています。
ところが、こうしたガイドラインが全廃されそうなのです。これは、企業にとっても、学生にとっても大きな転換期となるのは間違いありません。
たとえば、就職サイトの運用も大きく変わることでしょう。解禁日とされる日に「●●ナビがオープン」と求人情報が一斉に開示されなくなるかもしれません。また、各社の求人もまちまちにアップされるようになるでしょう。
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