「これだけ力をかける意味があるのか? 疑問を感じる今日この頃です」
そんな諦(あきら)めに近い声を聞くようになってきたのが新卒の採用市場。もはや、採用するのは困難としか思えないと感じる人事部も少なくないようです。
学生が採れない採用難の現状については、この連載でも過去何度か書いてきました。確かに新卒採用は大変です。ただ、後述するような人事部の努力と企業の妥協?により、それなりの人員確保はできていた企業が大多数でした。
新卒採用の業務に対して「疲弊感」
ところが状況は厳しさを増し、人員確保が困難になる企業が相当数になってきたようです。2019年の新卒採用で3社に1社が「採用予定数の確保は難しい」と回答。ちなみに業種別では「建設」「小売」が特に厳しい状況とのこと。取材したサービス業の中堅企業では、予定の半分以下しか新卒採用できずに終わりそうとのこと。人事部も厳しい状況を見越して、
「これまでなら通過できない、意欲の低い学生にたくさん内定を出した」
にもかかわらず、大多数が辞退したようです。採用基準を下げれば学生が確保できるとは限らない状況なのです。
しかも説明会や会社説明の資料作成など、人事部が時間をかけて取り組む業務は例年より増えています。その会社の人事部は、働き方改革が進む社内で唯一、残業時間が減らない部門としてやり玉にあがるという、大変困った状況になっていました。
かけられる時間が限られ、手を尽くしても成果につながらないので、部門内の雰囲気は最悪とのこと。このような新卒採用の業務に対して「疲弊感」をためている会社は全国でもたくさん増えているのではないでしょうか。
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