私がどん底で見た「読解力がない」という地獄 やり方を変えたら偏差値が40→70台に上昇

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一例ではありますが、これが「字ヅラを追っている子」と、「意味を理解する子」の違いなのです。言い換えれば、読解力がない子とある子の違いともいえます。

意味を理解する力は、あらゆる場面で発揮されます。つまり、どのような科目でも、分野でも、さらに言えば、仕事でも、日常生活におけるさまざまな出来事でも発揮されます。これを「一事が万事」といいます。

「意味を理解する子」になるには

では「字ヅラを追っている子」はどうすれば「意味を理解する子」になるでしょうか。「意味を理解する子」に転換する方法やスキルはいくつかあるのですが、その中でも家庭で手軽に実践できる方法を1つ書いておきましょう。それを突破口にしてみてください。

子どもが中学生の場合、勉強に関して親が介入すると失敗することが多いため、次のようにするといいでしょう。

石田先生の新刊『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

「勉強以外の話題で、子どもと話をする際に、『これって何のためなんだろうね〜』『なぜそうなんだろうね〜』『これって○○(子どもが知っている知識や経験)と似てない?』と言ってみる」

意味を理解する子は、「疑問を持つ」「自分に置き換える」「目的を考える」傾向にあります。

それをあえて、日常の話題の中で「問い」という形で言葉にしてみるのです。“問われる”と人は、そこに意識がフォーカスします。すると、内容の世界に入っていくため意味を深く考え、理解するようになっていきます。

このように、言葉の力を使って、意味を理解できる人になるように、サポートしていってあげるといいでしょう。一朝一夕といかず、地道さが求められるやり方です。しかしやがて、勉強の世界でも同様に意味を考える習慣ができ、勉強はもちろん、さまざまな分野に効果が波及することになるでしょう。

石田 勝紀 教育デザインラボ代表理事、教育評論家

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いしだ かつのり / Katsunori Ishida

1968年横浜生まれ。20歳で起業し、学習塾を創業。4000人以上の生徒に直接指導。講演会やセミナーを含め、5万人以上を指導。現在は「日本から 勉強が嫌いな子を1人残らずなくしたい」と、Mama Cafe、執筆、講演を精力的に行う。国際経営学修士(MBA)、教育学修士。著書に『子ども手帳』『子どもを叱り続ける人が知らない「5つの原則」』、『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』ほか多数。

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