たった3本の糸が作り出す複雑さ
糸が3本しかないのに、それがぐちゃぐちゃに絡まると、とても複雑でカオスに見えます。でも、ほどいてみれば「たった3本」しかない。実はこの世界の多くの問題が、そんなふうにできています。
3本とは限りませんが、いくつかの要因の絡み合いであることは少なくありません。数学の世界で言えば、因数分解がこれにあたります。一見、複雑そうに見える式を因数分解していくと、たった3つの因数の掛け算によってなりたっている、そんなイメージです。
実は子育てもまったく同じだと考えています。「どうしてうまくいかないのだろう」「この子の性格が難しいのか」「私の接し方が悪いのか」。そうやって悩みが増えていくと、まるで迷路のように見えます。
しかし、筆者が37年間、何万組という親子を見てきた経験から断言できるのは、子育ての問題は、ほとんどが"たった3本の糸"でできているということです。
例えば、「宿題をやらない」「口答えをする」「やる気がない」といった子どもの行動。どれも別の問題に見えますが、根っこをたどると同じ構造になっています。糸の1本目は「親の期待」。2本目は「子どもの感情」。3本目は「コミュニケーションのズレ」。
この3つが絡まったとき、状況は一気に複雑に見え始めます。しかし、ほどいてみれば驚くほどシンプルなのです。


















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