「少子高齢化で社会が破綻」は大いなる誤解だ

就労者1人あたりの負担は必ずしも増えない

人口減少すると労働力が不足するという問題があります。高齢者比率の増加に伴い、現役層の15~64歳の生産年齢人口比率が下がり続けるからです。内閣府「平成30年版高齢社会白書」によれば、65歳以上高齢者1人に対する生産年齢人口(15~64歳の者)は、2015年の2.3人から、2065年には1.3人へと激減します。現役層1人がほぼ1人の高齢者を支えるということです。

しかし、この計算には大事な視点が抜けています。支えられるべきは高齢者だけではなく、0~14歳の子どもたちも含めないといけません。子どもたちを含めて計算すると、すでに2015年時点で1.5人の生産年齢人口が年少+高齢人口を支えないといけないことになります。

さらに言えば、15~64歳までの全員が働いているわけでもなく、生産年齢人口という年齢属性でみるのは無意味なのです。進学率も高まり、15~19歳は8割以上が無業者です。大事なのは、有業者が無業者(子どもや高齢者および現役層であっても病気などの理由で働けない層含む)をどれだけ支えられるかという視点でしょう。

有業者と無業者のバランス

今回は、最新の2017年就業構造基本調査に基づき、15歳以上の有業人口と、全年齢を対象とした無業人口の割合を算出するために、以下のような計算をします。

【(15歳以上有業人口)÷(全年齢無業者人口)×100%】

要するに、子ども含む無業者1人をどれだけの有業者が支えないといけないかという「有業人口依存指数」です。

0~14歳の年少人口含む生産年齢人口依存指数でみると、頂点の1990年代頭のバブル期と比べて半分以下に激減しますが、高齢者人口比率が上がるわけですからそれは当然です。一方、有業人口依存指数は、1950年代から現在に至るまで、むしろ増えていることがわかります。頂点は、生産人口と同様バブル期ですが、それでも無業者1人を1.1人の有業者が支えていたことがわかります。それ以前の1950~1980年代にかけては、有業者1人が1人以上の無業者を支える社会であり、むしろ昔のほうが有業者にとって負担の大きい社会だったのです。

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