「少子高齢化で社会が破綻」は大いなる誤解だ

就労者1人あたりの負担は必ずしも増えない

今後、各年齢別の人口減少推計にあわせて、2017年時点の年齢別就業率が同等で推移すると仮定すると、総人口が半減するにもかかわらず、実は有業人口依存度はほとんど変化しません。つまり、人口の絶対数は減っても、支える人と支えられる人のバランスは均衡を保つと言えるのです。

さらには、最新の就業構造基本調査では、「現在無業だが、すぐにでも働きたい」という新規就業希望者数も明らかにされていますが、この潜在労働力人口が男女合わせて862万人も存在します。これら全員が就業するというのはあくまで理想論ですが、計算上それを最大と考えると、2035年には生産人口指数を抜いて、無業者1人を1.3人の有業者が支えられる社会になります。

65歳以上の有業者数が最も構成比が高い

高齢者人口比率が上がることばかりに目がいきがちですが、有業者の年齢構成はここ60年で大きく様変わりしています。もともと20代メインだったものが1980年代40代へ移行し、現在は65歳以上の有業者数が最も構成比が高くなっています。現在比率としていちばん働いているのは高齢者であり、2017年の65歳以上有業数858万人は、日本史上最高記録です。

もっとも、これは、1956年時点で20歳だった人がそのまま現在65歳以上の有業者に移行しているだけとも判断できます。戦後若者だった人たちは、今もなお60年以上働き続けていると言えるのです。

単純に年齢構造だけで判断するのではなく、働く1人が(何らかの理由で)働けない1人を支えればいい社会だと視点を変えてみる。すると、夫婦ならば子ども2人を支えられるということですし、独身者なら働くことのできない80歳以上の高齢者を支えればいいということでもあります。もちろん有業者それぞれ収入額も税支払額も異なります。高齢者と若者の働きとを同列に扱うのも無理がありますが、少なくとも仕事の有無関係ない生産年齢人口指標よりは意味があると考えます。

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