彼が総体会場に着いたときに、審判員や関係者が勢揃いして出迎えている映像を見ましたが、やくざ映画で見るボスの出迎えと全く変わらない光景でした。睨まれると干されてしまう審判員や、円満な試合進行の責任を負う大会関係者の立場を考えれば、彼らの行動を責め立てるわけにもいきません。
各会場で申し送りされているような会長専用の皮張りのイスや菓子・お茶なども、見る限りは山根会長の周辺にいるイエスマンや忖度して動く人たちが、相当な力を持っていたことが伺われます。
しかし、今回の勇気ある告発によって今後には希望が待っているともいえるでしょう。「日本ボクシングを再興する会」の鶴木良夫代表は、告発者の連名者として100名も集まればよいと読んでいたところ、瞬く間に333名が名を連ねたそうです。
今まで何をしていたのだ、という批判の声も聞こえそうですが、いろいろな所から上部へ訴えていたものの「なしのつぶて」だったため、この行動に出たともあります。「自分の時代は終わっているが、後に続く人のために頑張りたい」と言っておられました。
山根会長とその取り巻きがどんなに強力であろうと、告発を受け取った日本オリンピック委員会や文部科学大臣、スポーツ庁長官等、関係機関が一体となることによって、徹底的にうみを出し切ってくれるものと信じたいと思います。
「理不尽な組織」に属している人々は立ち上がるべき
ところで170ページに及ぶ告発文の反論が、またお粗末でした。言い訳できない240万円の助成金の不正流用を認めただけです。これだけ恥ずかしく重大な疑惑に対し、説明責任も果たせないわけです。
スポーツ界ではこれでもか、これでもかと、ワンマン指導者のパワハラによる不祥事が明るみになってきました(教育界や政界、官庁もですが)。
今回の鶴木良夫代表の行動は、良い教訓になると思います。一人では動かない壁も、組織的に勇気を出して、メディアにも訴えて行動すれば、ワンマンとその取り巻きの壁も、崩せる可能性があるということです(日大のトップはは、まだ崩せてませんが)。ぜひ、「理不尽な組織」に属している人々は、立ち上がるべきです。
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