第4段階の「承認欲求」は、帰属欲求があってこその欲求です。家庭という場所への帰属意識が高まると、家族に自分の存在を認めてほしいという気持ちが芽生えます。この承認欲求が叶えられないと内的な心が満たされません。すると家庭内での行動に支障をきたすようになります。
この承認欲求を満たすかかわり方が、「褒める」「認める」「感謝する」「労う」です。できたことを褒める、やったことを認めるということと共に、手伝ってもらって「助かった」という感謝や、「よくやったね」と、頑張ったことへの労いも重要なかかわり方です。
ですから、頭ごなしの「ダメ」はもってのほかです。よほど危険なことをしているときは必要かもしれませんが、できなかったことに対する「ダメだね」「なぜ○○できないのか」などという否定は、承認の反対にあたり避けなければなりません。「ダメ出し」して責めるのではなく、「どうしたらできるようになるのか」を一緒に考えてあげてください。
子どもはたくさんの小さな失敗が必要
親として心配だったり、気をつけて、という意味合いがあるのでしょうが、これはマイナスのプレッシャーになります。失敗してはならない、間違えてはならないと思えば、どうしても萎縮しがちになります。子どもは、親の擁護があるうちにたくさんの小さな失敗を繰り返すことが必要で、それを積み重ねて成長していきます。失敗してもリカバリーできるという経験が人生の大きな財産になります。
第5段階の「自己実現の欲求」は、自分の能力や可能性を最大限に発揮し、あるべき理想の自分に近づきたいという欲求です。学習などで目標達成することをはじめ、創作、研究、運動、芸術などさまざまな形で自己実現を図ろうと試みるようになります。
この欲求の実現を後押しするのは、挑戦する気持ちです。失敗を恐れると挑戦する気力をそいでしまうことになりかねません。ぜひ、失敗を恐れずに取り組めるよう応援してほしいと思います。
この夏、家族との絆を感じ、家族に認められ、家族が応援することで、多くの子どもたちのしなやかな成長につながることを願います。
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