「はやく」と言わず子どもを動かす魔法の時計

ポイントは「時間の量の見える化」にあった!

子どもが時間を守って動けるようになる方法とは?(写真 : プラナ / PIXTA)

「はやく、はやく」と追い立てていませんか?

この連載の記事一覧はこちら

「はやくしなさい。いつまで食べてるの? 学校に遅れるよ!」「はやく着替えなきゃダメでしょ! またお友達を待たせちゃうでしょ」「もっとはやく勉強を始めなきゃダメでしょ」「はやくお風呂に入りなさい。また寝るのが遅くなるよ」――。

このように朝から晩まで「はやく、はやく」と子どもを追い立てていませんか? 子どもはなかなか時間どおりに動いてくれないものですね。

私は小学校の教師として多くの親子を見てきましたが、この問題に対して多くの親たちはただ口でしかるだけで、改善のための工夫というものをしていません。でも実は、しからずとも子どもが時間を守って動けるようになる簡単なやり方があります。それが「模擬時計」です。

幼稚園年長のA君を育てているBさん。A君は何をやるにも時間のかかるマイペースな子です。特に時間がかかるのが朝食です。放っておくといつまでものんびり食べています。幼稚園バスに間に合わないので、Bさんは毎日「はやくしなきゃダメでしょ」としかっていました。そんなある日、私の本を読んで模擬時計という方法を知ったそうです。

そして、100円均一で卓上アナログ時計を買ってきて、その時計の横に画用紙に描いた時計の絵、つまり「模擬時計」を貼りました。その模擬時計の長い針と短い針は食べ終わる時刻を指しています。

特に大事なのは長い針です。そして、A君に「本物の時計の長い針が、時計の絵の長い針のところにくるまでに食べ終わるんだよ」と言いました。そして、その2つの時計をセットでA君の目の前に置きました。

目の前にありますから、A君は朝食を食べながら自然にその2つを見比べることができます。本物の針がどんどん動いて、食べ終わるまでの残り時間が減っていくのが目の前でわかります。残り時間が減っていくスピードがわかるのです。すると、どれくらい急げばいいかということが実感としてわかるのです。「まだ時間がある」とわかればゆっくり食べます。「あと少ししかない」とわかれば急いで食べます。なんと、この模擬時計のおかげでちゃんと時間どおりに食べ終われるようになりました。

次ページ子どもは時間の管理が苦手
キャリア・教育の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • カラダとおカネのよもやま話
  • 最新の週刊東洋経済
  • ブックス・レビュー
  • 就職四季報プラスワン
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
-

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

ログインしてコメントを書く(400文字以内)
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
電池開発でノーベル化学賞<br>吉野彰氏が示した「危機感」

受賞会見とともに、リチウムイオン電池の開発の歴史と当事者の労苦を振り返る。世界の先頭を走ってきた日本も、今後および次世代型の市場では優位性が脅かされつつある。吉野氏率いる全固体電池開発プロジェクトに巻き返しの期待がかかる。