「子どものうちなら短所は直せる」というウソ

大人の常識で子どもを測る大きな弊害

子供を叱っても直らない…なぜなのでしょうか(写真 : Rina / PIXTA)

マイペースで何をやっても遅い。やりたいことはやるけれど嫌なことは後回し。出せば出しっぱなしで片付けや整理整頓ができない。だらしがなくて忘れ物が多い。引っ込み思案であいさつもできない。

このような子どもの性格や短所に悩んでいる親御さんも多いと思います。それについて、次のようなことがよく言われます。「子どもの困った性格や短所も子どものうちなら直る。大人になるとなかなか直らない。鉄は熱いうちに打てだ。子どものうちに直してやるのが大人の務めだ」。

「鉄は熱いうちに打て」ということわざは、人は柔軟性のある若いうちに鍛えることが大事だという教えですが、もともと英語の翻訳であり、似たようなことわざは世界各国にあるそうです。つまり、世界中の多くの大人たちが、はるか昔からこのように思い込んできたのです。

ところが、実はこれは勘違いで、困った性格や短所を子どものうちに直すのは非常に難しいと、筆者は23年にわたる公立小学校での教員生活の中で実感しました。かえって、子どものときよりも思春期以降、あるいは大人になってからのほうが直せる可能性は高いのです。

子どもは大人のような反省の仕方はしない

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大失敗したことがきっかけでスイッチが入ることがあります。たとえば、ある大人が大事な取引のときに必要な書類を忘れてしまったとします。

「しまった! 書類を忘れてしまった。オレはなんてだらしがないんだ。ああ、オレのせいで重要な取引が失敗に終わってしまった。チームのみんなに申し訳ない。長年の苦労も水の泡だ。こんなことでは、この先もっと重大な失敗をしてしまうかもしれない。心の底から反省だ。もう、これを機会に本当にこのだらしのないのを直さなければ!」

大人だったら、このように考えて自己改造のスイッチが入るかもしれません。

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