子どもに「正論より共感」が響く本質的な理由 「言えばわかる」ほど単純ではない

叱るのは意味がない、必要なのは「くふう」
――親野先生は、子どもを叱ることには、いろんな弊害があるとおっしゃっています。では子どもに何かできないことがあるとき、親はどんなふうに注意すればいいでしょうか?
「くふう」をすればいいんですよ。くふうには2つあって、ひとつは「合理的なくふう」、もうひとつは「言葉のくふう」です。
「合理的なくふう」というのは、たとえばこんな感じです。
なかなか自分で歯を磨けない子だったら、あらかじめ食べる前に食卓に歯ブラシを出しておく。そうすると食後すぐ歯を磨きやすくなります。自分で磨けたら「この頃、自分で磨けるね!」と言ってほめてやる。
それをしばらく続けて、できるようになってきたら、ある日歯ブラシを出すのをやめてみる。それで磨けたらさらにほめるし、もし磨けなくなったら、また歯ブラシを出してあげればいいわけです。
そんなことを繰り返しているうちに、だんだんできるようになる。そういう生活習慣的なことについて、感情的にとがめる必要なんか、何にもないんだよね。逆効果になるだけで、いいことは一個もないです。
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