子どもに「正論より共感」が響く本質的な理由 「言えばわかる」ほど単純ではない

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どうしても直させたいことがあるときは、たくさんほめてから、最後に「これとこれ、直して」って言えば、喜んで直してくれるよね。それを最初から「汚い字だね、こんなの書き直し!」とか言っても無理(笑)。

だからね、「ほめたら、できる」って思って欲しいんですよ。みんな「できたら、ほめる」って思ってるから、永久にほめられないんだよね。

そうじゃなくて、「ほめたらできる」。順番が逆なんだよね。

「正論」で門前払いしないこと

あともうひとつ、大事なのは「共感」。親はとにかく、門前払いしちゃうことが多いけど、いろんな場面で、子どもに共感してあげることが、すごく大事。とにかく共感、共感で、言いたいことは最後にする。

たとえば、お兄ちゃんが弟をたたいちゃったとするよね。「どうしたの、お兄ちゃん?」って聞くと、「だって弟が、おれのおもちゃで遊んでたの! 弟がとっちゃったんだもん!」とか言ったとする。

そういうとき、大体の人は「あんた、お兄ちゃんでしょ。おもちゃとられたからって、たたくの? そういうの暴力だよ、ダメなものはダメ!」とか言って、正論を押しつけちゃうんだけど、それじゃ絶対に子どもは納得しませんよ。

子どもだって、そんなことはとっくの昔にわかってる。頭では理解していても、気持ちが処理できないだけ。

その気持ちを処理してあげるのが、共感なんです。「あ、そうだったの? おもちゃとられたんだ、いやだったね」と言ってあげる。そうすると子どもはうれしくなって、「いやだったよ! だってこの前も、こうでこうで……」とか言って、どんどんしゃべる。

それがなかなかできないんだよね、たいていの親も、先生も。

「あんた、人のことばっかり言って、なに? 自分は悪くないと思ってるの? そういうところがダメ、まず『ごめんなさい』って言いなさい!」とか言っちゃう。でもモヤモヤしたまま「ごめんなさい」を言ったって、意味ないんだよね。

それを全部、たっぷり共感して聞いてあげると、スッキリできるから。

そうなったとき、子どもは特定の精神状態に入るんです。「お母さんは、わかってくれた! おれがどんなにいやな気持ちだったか、お母さんはわかってくれた!」というふうに、相手への信頼感がぐーっと高まる。

そこで初めて、「じゃ、お兄ちゃん、これからどうする?」とか言えば、もう素直になってるから、「じゃあ、おれはお兄ちゃんだからね、これからは、弟に先にやらしてあげちゃう!」なんて言えるんですよ。

気持ちのわだかまりを処理してあげれば、良い部分が出るんです。正論の押し付けじゃ、絶対無理です。いろんな場面で、とにかく門前払いしないで、聞いてあげて。

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