プログラミング教育必修化に漂う大きな不安

このままでは確実に失敗し、世界に後れる

子どもたちは質の高い教育を受けられるでしょうか(写真:izusek/iStock)

2020年度から、小学校でプログラミング教育が必修化されます。また、大学入試センター試験に代わって導入される「大学入学共通テスト」では、プログラミングなどの情報科目の導入が検討されています。プログラミング教育の必修化には、2つの目的があります。

1つが今後不足することが予想される「IT人材の育成」。そして、もう1つが、拙著『子どもの才能を引き出す最高の学びプログラミング教育』でも取り上げているように、IT業界にとどまらない普遍的な力である「プログラミング的思考の育成」です。

①コンピュータにやってもらいたい動きを決める
②その動きを実現するためには、どの記号をどのように組み合わせればいいのかを考える
③実際にプログラムを書く(プログラミングする)
④コンピュータを動かしてみる
⑤不具合があれば、その原因を考える
⑥プログラムを修正する

プログラミング教育でこうしたプロセスを学習することにより、物事を論理的に考えたり、目的を達成するための手順を明確に描いたり、知識や情報を整理したりする力が身に付きます。

特に論理的な思考力は、将来の変化を予測することが困難な時代に、求められる力です。論理的に考えることができれば、時代がどのように変わっても、物事の本質を読み解くことができるからです。

学校現場が抱える3つの課題

このように、私は、小学校におけるプログラミング教育の必修化に、基本的には「賛成」です。ですが一方で、「小学校のプログラミング教育だけでは、十分な教育効果は得られないのではないか」と疑問視しています。小学校のプログラミング教育には、おもに「3つ」の課題があるからです。

【小学校のプログラミング教育の課題】
①「プログラミング」という教科(科目)があるわけではない
②教員の多くがプログラミングを理解していない
③ICT(情報伝達技術)環境が整備されていない

次ページ新しい教科が設けられるわけではない
関連記事
トピックボードAD
人気連載
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • いいね!
トレンドウォッチAD
株主総会で賛成率が急落<br>機関投資家が物言う株主に

低支持率の役員167名を実名公開!低出席率、低ROEなどを理由に、機関投資家は役員選任議案に反対票を投じ始めた。「物言わぬ株主」といわれた機関投資家が変貌した理由は?